燃えるスイカとフライパン


 ある日、いつものようにBrumaの借家から寺院に手伝いに来た自分に、Martinが言った。

「Nightよ。実はこんな手紙が寺院に届いたのだ。君に調査してもらいたくて待っていた」
「手紙?」

 Martinが見せた手紙は何の変哲も無い普通の便箋と封筒だったが、こんな文章が記されていた。

 (前略)Suika.espを導入し帝都に向かえ。グリーンエンペラーロードへ帝都市場から入るとスイカが地面に置かれている。もしそれを貴殿が回収できれば、想い人との未来は約束されるだろう。たまひよ倶楽部買っとけYO!(゚∀゚)ノ
 

「・・・・・・パクリだろ」
「・・・・・・言っておくが、Miariさんには許可済みだぞ。ところで何だその目は。そうそう。報告によれば、この怪文書はあちこちの街にバラ撒かれたらしい。スイカを回収しようとしたら、スイカから噴き出した炎で多数の怪我人が出た模様だ」
「スイカから炎!?」
「恐らくは悪戯か何かだろう。しかし、回収できなければ性質の悪い悪戯に巻き込まれて死人も出かねない。そういうわけで、Nightに回収を依頼したいのだ」
「わかった」
「あとスイカは寺院のみんなで食べるから、もって帰ってきてくれ」
「食うのかよ!!」
「それと、あるアーティファクトが帝都で売り出されたそうだ。それも買ってきておくれ」
「はいはい」


 そのアーティファクトとは、帝都のこの店で売っていた。Martinからの情報によると、このアーティファクトの創り主は「家庭的なものが好き」らしい。


 DLはMiariさんのこの記事から。


 ※フライパンの構造上、スカート系のものをはいているとどうしてもフライパンが腰にめり込みますがまあ、そこは無視無視。


 さて。本日の課題。
 道は閉鎖されていたが、Kvatchの英雄ということを明かして通してもらった。さて・・・。


「!!!」

 石畳を歩いていたら、早速ボボボボボボと火の玉が高速で飛んできた。
 くそ、こんな遠くから・・・とっととスイカを回収・・・って、


 みえねええええええ!!!!


「どうしましょう、蜘蛛様!」
「たかがスイカでしょ。そうカッカすることもないんじゃなくて?  ・・・あら。まさか、AlmalexiaにNice Boatされたことを気に病んでるのかしら? それとも・・・」
「それ言わないで!(泣) いやまあ、あのスイカ拾えば少しは恋愛運とか恋愛運とか友情運とかがよくなるかもしれないなかーなんて思ってるワケじゃないですよ、勘違いしないで下さい」
「ま、用が無ければ帰るわよ」
「あ、そっちは危な」



「ムキー!!! 私の肌がヤケドしちゃったじゃないの!!!」
「蜘蛛様やめて!! 俺魔法反射つけてるんで余計ケガしますよ!!(;゜д゜)」

(中略) ※スイカはNightが何とかゲットしました。

 ほうほうの体で帝都を出て、Chorrolに向かう。フライパンを試しに振り回したいのだが、蜘蛛様は魔術師タイプでガチの殴り合いには向いていないし、肌に傷はイヤだと言うので、なんかいいスパーリングの相手はいないかなーとギルドに出向いてみることにしたのだ。

 紹介されたのはスケルトンチャンピオン。早速呼び出してみた。


「はあ〜い〜アタシはスケルたんっていうか〜スケルたん先生って呼んで〜どうぞヨロシク〜ウフフ」
「宜しくお願いします、先生!」

 召喚して出てきたのはやたらノリのいい、スレンダーな骨美人のスケルトンチャンピオンだった。早速地下室を借りて、手合わせをお願いしてみた。


「てりゃー!」
「あら〜ブラックボーイちゃん〜まだまだって感じねえ〜鈍器の扱いには長けていないんじゃなくて〜?」

 刀剣はマスタークラスだが鈍器は苦手なので、スケルたん先生に軽く受け流されてしまった。


「今度こそ!」
「きゃっ! ちょっと〜少しは手加減してっ〜! でもスジはいいカンジよ〜」

 そんなこんなで一時間ほど肋骨をお借りし、寺院に戻ることにした。


「本物のフライパンのようだな。実際にこの目で見ることが出来るとは思いもしなかったが」
「どんなアーティファクトなんだ?」

 俺の問いかけに、Martinは頷いて言葉を続けた。

「うむ。これはある女エルフの暗殺者が使用していた武器だと言われている。炎でこの武器を熱すれば、この中に入れられたものはたちまち炒め上げられたらしい。伝説的な人物である『桃姫』や、超能力という、魔法とは別の力をもつ少女もこのフライパンを愛用し、さらには深い昏睡状態に陥ったものを、『愛』という銘のフライパンで叩くと、意識を回復させたという伝承が伝わっている」
「な、なるほど」
「このような強力なアーティファクトが、店先で売られているのにかかわらず、Camoranに先んじて手に入れることができたのは僥倖だ。早速・・・」
「何するんだ?」

 Martinはニヤリと笑った。

「目玉焼きでも作ろうと思う」



 ※快く許可して下さったMiariさん、ありがとうございました(´∀`) ノ


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