Dwemerたちの空飛ぶ船・前編


 のんびりCrystal Crag城で遊んでいたところ、Nordのおっさんに話しかけられた。500ゴールドでDwemerのナンたらカンたら…。まあ、その辺はどうでもいいが、興味が出たのでとりあえず買ってみることにした。ちなみにこの城、ほぼバニラのものを使っているので、割と軽い。その上、見て解るとおりなかなか装飾に凝っている物件である。問題は、公式DLCの魔術師の塔や、その他物件と位置が被っているらしいということか。


「で、なんて書いてあるのです?」
「…白紙っぽい」
「今からでもオヤジをシメにいきますか」
「うーん…あ、なんか鍵が。それに地図も」


 Morrowindに程近い洞窟にそれはあるらしい。
 用意を整えて、早速出かけることにした。


「Dwemerですか…どんな種族だったんでしょうね」
「好奇心は旺盛だったよ。自分の身を滅ぼしてしまうくらいにね。それに、何千年経っても動き続ける高度な機械文明を持ってた」


 中に入ると、無骨な鉄骨が橋のように渡されていた。Ayleidではない、いかにもDwemerくさい文化の匂いがぷんぷんする。


 蝙蝠が飛び回っている以外は、大した敵は出てこなかった。


「うわー」
「これは? 金属製の樽のようですが」
「MorrowindのDwemerの遺跡なんかに行くと、こういうのがごろごろしてるんだよ。鉄骨やパイプとか…これは、当たりなんじゃないかな。ちょっと懐かしいなあ。遺跡のものを売りさばいて糊口をしのいだ頃が懐かしいよ」


 奥の扉を開けると、Centurionに囲まれた、「Dwemer Immortal」と名乗る人物に止められた。Dwemerの顔をくっつけてあるロボットのようだ。驚いていると、大声で話しかけられた。

「定命のものよ、これ以上進むな! さもなくばDwemerの怒りに触れることになるぞ!」
「んなこと言っても、あんたら、消えていなくなったじゃねえか。それこそ、神も悪魔も探知できないような場所に…」
「貴様は学者の類か? 講義でも開くつもりか?」
「は?…まあとりあえず、アンタ誰だよ」
「定命の者に名乗る名などはない。我は不死にして、ここを守り続けることを使命としている」

 DwemerがRed Mountainの戦いで消滅してどれくらいの月日が経ったものか。全く持って律儀な。流石ロボットといったところか。

「アンタが守っている場所は、具体的にどういう場所なんだ?」
「やはりそうきたか。貴様は無知を鎧と武器で隠し通しておけなかったわけか。ここはだな、定命の者よ、我らの強大な火器を作るDwemerの技師にとって、最も都合の良い造船所だったのだ。空飛ぶ船のことは聞いたことがないのか? 敵には悪夢のものであり、Dwemerの民の誇りだったのだ」
「Immortalって?」
「学者どもにあまり教えてやれることはないな、定命の者よ。輝けるDwemerの民の最も優秀な戦士が、選び抜かれ、息を引き取る間際にImmortalになるのだよ。その者たちの臓器などは、強力なデバイスで生き続ける。私の背骨は今でもしっかりしているし、心臓は勇気と、Dwemerに対する愛情で脈動している。頭だって以前のままだ」

 俺の後ろで、Ruinが震えるのを感じる。久々に見たが、ははあ、サイボーグってやつだな。延命のために自分を機械化するなんて、本当に、死霊術師に負けず劣らず、バカなことばかりしやがるな。まあ、俺もバカか。
 不死化についてはこれいじょう話したくないみたいだし、俺もどうでもいいので、船のことを聞いてみる。頭上でぷかぷかしているのがそうなんだろう。

「ふーん、船かあ。まだそんなんが地上にあったなんてなあ」
「貴様、我々の腕を疑っているのか? 我らの装置は数千年を経た今でも動いているし、もし我がこのコンソールでそれを呼べば…」

 いや、そういうことは言っちゃイカンやろ…。という俺のツッコミを他所に、なおも自信満々で話し続ける。

「風が巻き起こり、炎と灰が虫どもと愚者どもに溢れた帝国に降り注ぐであろう」
「え〜。Dunmerの上に振り掛けるならまだわかるが何でまた帝国…でもさあ、Dwemerなんてもう誰もいないじゃん。Kagrenacがあんなことやらかしたせいで。まあ、一人は生きてるけどさあ…」

 俺の言葉をさえぎるように、Immortalは剣を向けてきた。

「Dwemerは決して失敗などしない! そして、かぎまわった貴様のような定命の者もな…生かして返す気などないぞ。目撃者一号になって、見たり聞いたりできなくて残念だがな。この知識は貴様のような愚かな定命の者が手にするにはあまりに強く、神秘的過ぎるのだ。来い、Centurionたちよ!」


 そーくると思ったよ!
 でもここは足場は狭く、下は溶岩。さっさと落ちていただいた。


「このコンソールで呼べるんですか…」
「まあ、折角だし呼んで見るのもいいんじゃね? アレだったらメイジギルドに寄付すりゃいいし」

 でも、Dwemer語はちょっとなあ。と思いつつ、適当に操作してたら、何か稼動する音が聞こえた。周囲が煙に包まれて、息が詰まってくる。
 どうやら船が稼動状態に入ったみたいだ。さっさとここを抜けて、洞窟の外に出ることにした。


「あれみたいですね」

 船が稼動するまで時間がかかるみたいだったので、近くでキャンプしていたのだが、偵察に行って来てくれたRuinが浮かんだ船を見つけてくれたらしい。
 早速、キャンプを畳んで行ってみたのだが…。


 火口からどうやって出てきたものか、CenturionとDwemer Immortalに待ち伏せを食らった。手下のCenturionはRuinが引き受けてくれる。その間に、Immortalを倒そう。


 しかしこいつら、Dagoth Ur並にしつこいなあ…。


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(2008.12.20)