Ancestors and the Dunmer
祖霊とDunmer
著者不明
出版者注
この本はArmistice条約の後にMorrowindを訪れる外国人のために、無名の学者が記したものである。これらの慣習の多くは、その後廃れていった。最も顕著な変化は、死霊術とGreat Ghostfenceの慣習に関するものである。Dunmerは今日、認められうるどんな種族に対しても、Necromancyは悪しきものであると考えている。Ghostfenceは、祖先崇拝の慣習の多くを変更することを強制させた。Dagoth Ur山の周囲に張り巡らされたGreat Ghost Fenceの強化に、多数の祖先が納められたため、Morrowindでの一族のGhostfenceというのは極めて少なくなってしまった。TempleはHouse間で利己的に振舞うような慣習を阻んでいる。氏族の墓や個人的なWaiting Doorの維持も廃れ、Armistice条約以降は、これらの墓や寺院に埋葬されることも少なくなってしまった。近年では、多くのDunmerは、地元の寺院に守られた祖先の僅かな部分を崇拝している。
幽霊は闊歩する
Dunmerの故人の霊は、恐らくは全ての種族も、死後も留まる。故人となった祖霊の力と知恵はDunmerのHouseの血統の糧となる。氏族の生きている者と、不滅なる祖霊とは、部分的には血の絆、儀式、意思によって間が取り持たれる。婚姻によってHouseへとやってくる者は、一族に入るにあたり儀式と誓いを立てることで絆を作り、一族の祖霊から利益を得るのである。しかし、祖霊へのその者の接触はその者の子よりも僅かになるため、自身の血統の祖霊との接触を多少は保ったままにするのである。
一族の祠
各々の住居には一族の祠がある。より粗末な家では、炉端もしくは一族の遺品を据えて祭っているちょっとした空間しかないかもしれない。裕福な家では、祖霊が利用するための部屋が用意されている。この祠はWaiting Doorと呼ばれており、Oblivionへの扉を示す。ここで、一族は供物と祈りを捧げることで、義務に対する制約をすることで、そして一族の状況について報告することで祖霊に敬意を払う。返礼として、一族は祖霊から情報やトレーニング、天恵を授かることもある。祖霊はこのように家の、特にWaiting Doorの周囲を守護する。
Gorstfenceについて
一族の最も厳粛に執り行われるべき義務とは、祖霊の遺体がきちんと死者の都Necromにて埋葬されることを確認することである。この地にて、霊は定命の者の世界の凍気に対し、快適さを分かち合うのである。しかし、大いなる栄誉と犠牲の証として、一族の祠と氏族の場所を守るGhostfenceの一部となるよう、祖霊の遺体の一部を安置することがありうる。そのような契約はしばしば家族の意思の一部として行われ、指の骨を遺体から切り取って保存し、厳粛に行われる魔法と儀式によって一族のGhost fenceに取り込むのである。より特殊な例としては、全ての骨もしくは安置された遺体をもGhostfenceに結びつけることがあり得るのだ。
これらの遺体は信号となって、祖先の霊、特に遺体の霊を寄せるのである。より多くの遺体がGhostfenceに用いられるほど、より強力となる。そして、生前最も逞しく生きた定命のものは、最も強力な遺体にもなるのである。
Blightを防ぐためにTribunalによって作られたGreat Ghost Fenceは、Templeと一族に対して、家族の代わりに魂を捧げたTempleとHouse IndorilとRedoranの数多の英雄の骨を取り入れている。Ghost Fenceも、Necromの共同墓地とMorrowindの多くの戦場から採集された骨が取り込まれている。
定命の凍気
祖霊は定命の者の世界を訪れることは好まない。任務であり、義務だからそうするだけである。祖霊は我々にあの世はこの世より楽しいか、少なくとも、寒く、辛く、痛みと喪失に満ちた現世よりは快適な場所であるか、教えてくれるのである。
狂える祖霊
意思に反して我々の世界に居残ることを強いられた祖霊は、狂える祖霊、もしくは幽霊になる恐れがある。死に際してのおぞましい状況、あるいは人、場所もしくは物へのある種の強力な感情、によってこの世に縛り付けられる霊も存在する。これらは浮遊霊と呼ばれる。
魔術師によって捕獲され、魔力を帯びたアイテムに束縛される霊もいる。束縛が強制されたものであるならば、霊は基本的に発狂する。自発的な霊は正気を保てる可能性は半々だが、霊の強さやエンチャントする物の賢さの場合によりけりである。
意思に反して一族の祠の守護に束縛される霊もいる。このよろしくない運命は、生前一族に不忠義だった者が辿ることが約束されている。忠実で尊敬されるようば祖霊は、しばしば我侭な霊の捕獲と束縛を手伝うこともある。
これらの霊は、基本的には発狂し、恐ろしい守護者となるのだ。彼らは一族の者を傷つけることは儀式によって妨げられているが、それ以外は災いをなしたり、無作法に振舞ったりすることを躊躇する必要がないのである。彼らは、侵入者によって非常に危険な存在となる。同様に、侵入者が霊の狂気を看破し、自身の一族に対する霊の憤怒に付け入ることが出来るならば、怒る祖霊を操ることが出来るかもしれない。
Oblivionについて
Oblivionの存在は、あまねくTamrielの文化に認知されているが、その他界の性質については合致するところが少ない。一方ではむしろAedraやDaedraが住まう場所であるとか、この世とOblivion間では魔術や儀式によって意思疎通や往来を図ることが可能とされる。
Dunmerは、Tamrielの人間種の文化のように、この世とOblivionにおける区別を強調しない。彼らは我々の世界と他界を、明確な境界を持ち、異なる性質を持つ二つに分離した世界というよりはむしろ、こちらからあちらへと繋がる多くの道を持つ一貫した世界として注視する。この形而上的視座は、エルフたちの魔術とその慣習に関する多大なる親和性を説明するものであるかもしれない。
Dunmerの祖先崇拝と霊的魔術についての外国の見地
AltmerとBosmerの文化も祖先を崇拝するが、現世からあの世へと、整然と、穏やかに魂が送られていくことを尊重するのみである。つまり、Wood ElfとHigh Elfは死者の霊を我々の世界に留まらせることは残酷で不自然であると思っているのだ。Ghost Fenceや灰溜まりの中に祖霊の遺体を据えることは、更に猟奇的で不快なことなのである。一族の祠に指の骨を差し出すことは、Bosmer（死者を食べる）からは冒涜的なことと、Altmer（死者を埋葬する）からは野卑なことに映る。
Tamrielにおける人間種の文化では、Dark Elfとその文化に対して無知で恐れているため、彼らをOrcやArgonianのように非人間的で凶悪なものであるが、より洗練されたものではあると捉えている。Tamrielの人間種は、Dunmerの祖先崇拝と霊的魔術を死霊術と結びつける。実際、死霊術と関わりのあるDark Elfの組織はTamriel中に広がるDunmerの悪評に、少なくとも部分的な責任はある。これは基本的には、無知から来る誤解である。一族の儀式は許容されているが、それ以外の死霊術はDunmerの目にはひどく嫌悪されるべきものとして映る。
Dark Elfは、いかなるDark Elfもしくは他のエルフにも死霊術をかけようなどとは決して思わないものである。しかし、Dark Elfは、人間やOrcの種族は動物に過ぎないと考えている。死霊術に対する禁止令は、そのような多種族、もしくは、いかなる動物、鳥、もしくは虫に対しては適用されない。
帝国の公式見解では、Dunmerの祖先崇拝と霊的魔術の慣習を宗教であると認めており、帝国の安全を脅かさない限りにおいては、そうした慣習を続ける自由を保護している。その裏では、多くの帝国の公務員や商人はDark Elfの祖先崇拝と遺体の展示は野蛮であり、もしくは、死霊術的であるとさえ見なしているのである。
Telvanniの「死霊術」
Telvanniは死霊術に熟達している。しかし、死霊術をDark Elfの遺体に対しては行わない。まともなTelvanniの人間は、そうした行為を嫌悪と義憤の怒りの眼差しで見る。彼らは死霊術を動物、人間、Orc、Argonianの遺体に行使する――Morrowindでは動物とは大した違いが無いとされる者に向けて。
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