Notes on Racial Phylogeny
人種的な系統発生についての小論文
Council of Healers, Imperial University 著

 生きている被検体について多くの分析を行った結果、協会はエルフと人間の全ての「人種」が互いに交雑可能であり、子孫を残すことが恐らくは可能であるということをかなり昔に確定している。子は父の種族の特徴をやや受けつぐものであるが、基本的には母の人種的な特徴を受け継ぐ。ArgonianとKhajiitが人間やエルフとの交雑が起きるかどうかは明らかではない。何紀もの間、これらの混血児らの報告は多く寄せられているものの、Daedraとの混血児の話と同様に、記録によって十分に立証された子は不明である。Khajiitは人間とエルフとでは、骨格と外皮生理学的な――身体を覆う「毛皮」――の違いに留まらず、代謝や消化機能も同様に異なるのだ。DreughのようなArgonianは、明らかに人間的な姿をした、親水的要素を持つ半人であり、ArgonianがDreugh、人間、Mer、もしくは(この著者の意見だが)Black Marshの樹上性のあるトカゲに分類されるかどうか確定していない。
 Orcの生殖に関する生態は、ゴブリン、トロール、ハーピー、Dreugh、Tsaesci、Imga、様々なDaedraやその他多くと同様に、今もなお十分に理解されていない。確かに、これらの「種族」間では交配の例はあるものの、基本的には強姦や魔力的な誘惑の性質を帯びたものであり、妊娠に関する記録化された例は存在していない。しかし、これら生物と文化的な人種族との異種交配は経験的な実験が確立されてもおらず、また、否定もされていない。深い文化的な差異がありえるためであろう。通常のBormerもしくはBretonがOrcによって妊娠させられたならば恥だと思って隠しておくだろうし、人間によって妊娠させられたOrcの娘が同様に社会から追放されないという保証もないのだ。遺憾ながら、治療者としての我々の誓いが、科学的な知識を満たすために交配を強要することをしないようにしている。しかしながら、我々はThrasのSloadが青春期の間は両性具有であり、後に陸地を動き回れるほど十分に成長したならば、生殖器が吸収されてることを学んでいる。彼らは人間やMerとは交配できないだろうことは問題なく仮定することができる。
 これらを同じ「人種」として分類するのが適切なのか、不正確ではあるが使いやすい用語なのか、一般的な位置づけと彼らの違いがいわゆる魔法的な実験に起因するもの、「Earth Bones」なる操作、もしくはある世代から次世代にかけて起きるような段階的な変化だと想定されるべきなのか、疑問に思うものがいるかもしれない。


 訳注
 Imga:Valenwoodの猿型獣人。
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