Progress of Truth
真実に至る道
Dissident Priests 著

 反体制派の司祭によって編集されたものである。
 以下のものを抜粋した。Templeの方針の中で、、反体制派司祭によって異議を申し立てられている点である。

1、Tribunalの神性について
 Templeの教義では、Tribunalが神になったことは、探索、美徳、知識、邪悪なる者との戦いを通じた、奇跡の御業であると主張する。Templeの教義では、Tribunalの神通力と不死がDunmerの祖先(その中に、善きDaedra、予言者Veloth、聖Nerevarを含む)のコミュニティが判断を下して最終的に授与されたものとしている。反体制派の司祭は、Dagoth Urの力とTribunalの力が根本では同じ源――Red Mountainに由来するものではないかと尋ねたい。Apographaの根拠は、Tribunalが神となるために冒涜的な魔法をかけられた道具に頼り、しかも、それらの反自然的な道具が当初は、人造兵器Numidiumを作るために冒涜的なDwemerの魔術師、Kagrenacによって作られたことを示唆している。

2、Tribunalの潔白について
 反体制派司祭は、Templeがいつも表の顔(「聖職者の著作」に代表されるHeirographa)を保ち、また、裏の顔(「隠された著作」に代表されるApographa)を常に保っていたと述べる。表向きの説明ではTribunalは英雄的な栄光に包まれた言動が描写されているのに対し、隠された著作では、Tribunalの言動の、より暗い、英雄的ではないものを仄めかし、秘密、虚偽、矛盾、論争、そして様々な解釈を明らかにしている。特に、Red Mountainの戦いの矛盾する報告は、Tribunalの振る舞いについて、そして、神となった後はその源について、疑問を提示している。また、TribunalがRed MountainでのDagoth Urによってもたらされる脅威の真の原因を隠滅し、MorrowindをDagoth Urから保護するTribunalの能力について、人民を誤解させたこと、そして最近、Tribunalの魔力が劇的に減少していることを隠している正当な証拠がある。

3、TempleのRed Mountainの戦いの説明
 Ashlanderの口承ではRed MountainにはTribunalはおらず、NerevarがDwemerを滅ぼしたとするよりも、Dwemer自身が自滅したとされている。Ashlanderの口承を更に見ると、NerevarがGrand Council(すなわちTribunal)に相談しにいく間、NerevarはDagoth UrにRed Mountainの冒涜的な秘密を守らせておき、Nerevarが相談している時に(Ashlanderによれば、怪我ではなく裏切りから)殺され、その後、TribunalがRed Mountainにて、歯向かったDagoth Urと対決して、彼がTribunalの意思に従わないと見るや、Red Mountainの地下でDagoth Urを追いやったのではとしている。

4、Daedra、聖人と祖先崇拝
 Tribunalの神性に疑問を呈す一方、反体制派たちはTribunalが聖人であり、英雄的行為をしたことには疑問を呈していない。実際、反体制派司祭たちは聖VelothとAshlanderたちが示した、祖先崇拝の大本にある多くの要素を元に戻すことを支持している。正確に言えば、どのようにこれらが機能するのか反体制派司祭の間で結論が出ないまま討議されている。

5、Incarnateの予言の否定とNerevarineたちへの迫害
 Nerevarineの予言が本当か否かについての一致した意見は反体制派の中には無いが、全員が、Nerevarineたちへの迫害は不当なものであり、政治的な動機に基づくものだということで一致している。反体制派の司祭は、宗教上の経験の一部として、神秘主義や啓示、または予言を否定していない。反体制派たちは、その問題への意見の是非を解決することが出来なかった。彼らはAshlander Ancestor教団の神秘主義、特に予言者とWise Womanの儀式とIncarnateの予言を研究した。反体制派司祭の間の多くの人々は、Nerevarineの予言が本物であり、Templeの保管庫に記録されている予言を組織だって研究したいと考えるようになった。

6、ArchcanonとOrdinatorの権限
 反体制派司祭は、ArchcanonとOrdinatorの当局を拒絶する。寺院の高僧は利己と政治にとって腐敗し、最早Templeやその参拝者を一番重要だと思うことはしない。反体制派司祭はArchcanonとOrdinatorがTribunalのためではなく、自分たちのために語っていると信じている。

7、宗教裁判とOrdinatorによる恐怖と拷問の実施
 Templeの高僧の中では、Ordinatorが異教と異端を弾圧するために、誘拐し、恐怖を与え、拷問し、秘密裏に投獄する手法に頼っていることは公然の秘密とされている。反体制派司祭はOrdinatorが制御されず、腐敗した聖職者たちが権力のために手先にしていると感じている。

8、Templeが宣言したことの基礎――貧者への慈善事業、蒙昧な者への教育、弱者の保護
 反体制派司祭は大部分の普通の聖職者が、Templeで最高の伝統を守っていることを認めるが、より位階の高い僧は、貧者、弱者、無知な者への福祉よりも、権力と贅沢を愛して止まないと信じている。


 訳注
 Numidiumとは、「On Morrowind」にも登場した、Vivecが自治と見返りにTiber Septimに供与したともするDwemerの兵器。Red Mountainの地下では、Tribunalに力を与えたLorkhanの心臓を動力源とするDwemerの兵器、Akulakhanが眠っている。

戻る