Redguards, Their History and Their Heroes
Redguardの歴史と英雄
Destri Melarg 著
Redguardの歴史と英雄についての小論文である。
これは、私の本である、『Redguards, Their History and Their Heroes』の草案を考えた者としての出版者の証明である。
以下、Redguardの物語、神話や歴史を収録している。彼らの歴史はその多くが神秘に包まれ、時の霧の中にある。神話と本当の歴史とを切り分けることは難しい。
下記は、Destri Melardによる草案の第一章である。
最初のWarrior PrinceであるLord Frandarの時代、Yokedaと呼ばれていた頃は、自身と国土、の防衛のために巨大な石の城が築かれ、城壁の外にあった城下町も大きくなっていった。２２４５年に、しかし、Mansel Sesnitが台頭した。彼はYokedaの長、あるいは軍事的な独裁者となり、八年間帝国全土に影響力を保持することが出来ていた。Sesnitが２２５３年に暗殺されると、平民がその支配を引き継いだ。Randic TornがSesnitが着手していた帝国の統一事業を続け、いかなる反乱の兆しに対しても冷酷に対処した。彼は、戦士たち――Sword Singerたちと――平民との間に帯剣に関する規制を導入することにより、深い溝を作った。「Torn's Sword Hunt（Tornの刀狩）」として知られるそれは、Singerだけが帯剣してもよいというものであり、それは彼らと他の者との間に区別をつけることとなった。
Tornは内乱前の状態に帝国を立て直すことに大いに貢献したものの、２３７３年に崩御するまで、内部の障害を完全に取り除くことは出来なかった。彼の死によって、本格的な内乱が始まってしまったのである。先の三百年の混乱さえも色あせる戦争であった。Frandar Hundingが育ったのもこの頃である。
HundingはSword Singerに属していた。帝国社会におけるこの一団は、砂漠に住まう職人たちから発展したものであるが、初期は上流階級の家庭の年若い子息と息女で形成されていた。彼らは名も無き戦神のために最初の寺院を建立し、訓練場「The Hall of the Virtues of War」を建てた。数世代のうちに剣の道――剣の歌――は、彼らの命となっていった。剣の民は、名も無き神より紡がれる魔法と力を美麗なる剣に編みこんで作り上げ、詩才と職人としての腕を保つのである。彼らの中で最も偉大な者にはAnseiあるいは「剣聖」という名を与えられる。この称号を持つ各々の者は、道場を持ち、剣の道をそれぞれの歩法で教えるのである。至高の徳を持つと言われるこれらのAnseiたちは、辺境を放浪して戦いをし、世直しを行い、争いを終える方法を模索するのである。
要約しよう。HundingはSword Singerであり、Tornの死の混沌により再燃した争いが頂点に達した頃の達人、否、Master Anseiであった。多くのSingerは帯剣し芸術家となったものだった。職人たちの名残は色濃く残っていたからである。しかし、一方では、Hundingのように険しき剣の細道を辿り、戦士としての理想を追求し、悟りを開かんとする者もいた。仇討ちと技を競う試験が公共の場所や、剣道場で増えていった。
Frandar do Hunding Hel Ansei No Shira、あるいはFrandar Hundingという名が広く知られているのだが、彼はHigh Desert地域の境界域である遠い砂漠地帯にて生を享けた。Hundingとは、生まれた場所に程近いHigh Desertの一地域の名前である。No Shiraは貴族あるいは貴族より生まれた者を意味し、Hel Anseiとは剣聖たちにおける彼の称号である。
High Desertの歴史が始まった頃まで遡ると、Hundingの先祖は職人たちや神秘学者に辿りつく。彼の祖父はYokedaの長であるMansel Sesnitの封臣であり、Sesnitが暗殺される前は数多くの統一戦争を指揮していた。
１４歳の頃、Hundingの父は数多く発生した反乱の一つで死に、母と四人の兄弟を支えることを余儀なくされた。彼の剣の才は、人生を険難で安楽なものと変えた。安楽とは、腕を見込まれて護衛や護送の依頼が数多く舞い込んだことであった。険難とは、名声が一人歩きをし、Hundingと決闘して打ち倒し、一気に世間の注目を浴びんとする輩が、彼の行く手に列を成して待ち受けていたことであった。
Hundingが三十歳の頃には、九十以上の決闘を戦って勝ち抜き、敵を皆殺しにした。彼は剣において実質的に無敵の存在となり、その腕と知識を極めると、彼の種族の職人たちが製造していた形ある剣を使うことを止め、Shehaiあるいは「The Way of the Spirit Sword」を編み出した。
全てのSword Singerは激しい鍛錬と戦神と、霊剣を創造する修養課程である剣の道へその身を捧げることでそれを学び取るのである。これは澄んだ想念で剣を想像することにより、魔力あるいは精神力がシンプルにその形を作るものである。Sword Singerは集中力によって剣を作り上げると、手の中で実体化する――普通よく見られるのは青白く霧がかり、実体を持たず光る存在であるが、さぞ美しいものであろう。武器ではなく、道と神へ身を捧げた象徴なのである。しかし、最上位のAnseiたちや魔力への親和性あるいは才能がある者は、断続的ではあるが意識を高め、霊剣を作り、光や気体とはかけ離れたShehaiを作ることが可能とされる――偉大な力に満ちた何者にも止められない武器であり、意識を失わない限りは所有者の手から引き剥がすことは決して出来ないのである。
ShehaiはHundingの武器となり、これによって彼は国に巣食う以上の山賊や怪物の群れを斬り飛ばした。邪悪なるLord Janicと七人のLichの取り巻きを打ち倒し、とうとう九十回目の決闘を終えると、彼は実質的に無敵となったことに納得した。Hundingはその後、彼の哲学であるWay of The Swordを編み出すために傾倒していった。彼は六十歳の時、砂漠の高山の洞窟にて隠者として暮らし、学び取ったことをBOOK OF CIRCLESとして書き下ろした。
その年になると、帝国の多くの戦に参加して全ての敵を破っていたHundingは、死ぬ準備のことを考え、彼の戦術を明確にして神秘的なヴィジョンを他のSword Singer達に伝授するために洞窟へと隠遁した。辞世の句を書き、最後の安息を得て戦神の序列に連なる用意をしているのをSinger達が見つけたのは、Circleの巻物が完成した後であった。
六十に至り、彼は生気が抜け出ていると考えていたが、活気溢れる男であり、しかし彼のともがらであるSword-Singerたちは彼を必要としていたのである。彼らはこれまでのように、彼を必要としていた。
Torn's Sword Huntは、Singerたちを平民から分離させるものであり、そして、その最後の皇帝が即位すると、砂漠の帝国の最後の大きな戦が勃発したのである。皇帝と妻のElisaは、Sword-Singerたちを滅ぼすことで平民から帝国を支配する影響力をもぎ取ろうと最後のあがきをしたのである。Hiraは帝国の戦争において全てのSingerをOrcと烏合の軍から成る己が山賊の軍勢で探しつくし、この地上から消し去ってやるという誓いを立てたのだ。
Frandar Hundingは探し出され、時世の句を書くことを遮られ、儀式も無いままSingerの指揮権は彼に押し付けられた。Hundingがその時洞窟にて長年蓄えられた知恵、戦略、Shehaiの奥義が書き留めていたことには未知なる戦神に多大な感謝を寄せなければならない。
Singerたちは野営地から逃げて砂漠の丘と山々に逃げ込んだ。Hundingが平穏に書き留めて死に行くはずだった「山々の父」Hattuの足元に逃げ、これらの残存兵はArmy of the Circleの軍を作り上げ――彼らはHunding's Wayである、彼の戦略、戦術、達人に至る最終的な大きなヴィジョンを学んだ。
HundingはArmies of Hiraを段々遠く、最後の戦が行われるHattuの足元の荒野までおびき寄せる七つの戦いの計画を考案した。Hundingは、自分の計画を「Hammer and Anvil」と呼んだ。各々の戦いでHundingのSingerたちは彼の戦略と戦術をより深く学び、Shehaiを用いることでより強くなり、七度目の戦いで敵を破る用意を整えた。かくして第六の戦いが行われ、どちらも勝利あるいは敗北することなく、次の戦いにもつれ込むことになった。Hiraの大軍勢がHundingの小さな軍を追いかけた。一人対三十人という多さであったが、Singerは決してWayから揺らぐことはなかった。舞台が整えられ、Hiraと彼のArmyはハンマーのような風がたなびくHattu Mountainの麓におびき寄せられた。戦いが始まり、多くのSingerはその日命を落とした。Hundingは生き延びたSingerが僅かであることを悟ったが、Hiraと彼の邪悪な帝国は最早息をせず、死に絶えた。
結果的にはHundingと二万のSingerがその日を生き延びたが、Hattuの日に、三十万人以上の人間が命を落とし、略奪や殺人をするような悪の軍勢は残ってはいなかった。逃げて生き延びた者どもは全員が四方八方へと散らばり、これ以上軍を組織することはなかった。
Singerは荷物を詰め、テントを畳み、死者を弔い、Hundingに続いてSeawindの管区のArchの大きな港街に向かった。そこに、Hundingは小規模な艦隊を待たせていたのだ。Singerは、砂漠から新たな土地に向かった。帝国では最早迎えられることも無く、伝説を歌われ語り継がれるために去っていった。最後の偉大な戦士であるShehaiのSinger、Book of Circleは全て、彼らの美徳が認められることのないその国を旅立っていった。赤。血の赤が穏やかな市民の目に映り、巨悪から彼らを救ったのだと決して思われることはなかったのだ。
Singerたちは大洋を渡り新たな国に旅をするに際し、新たな道を学ぶことを誓った。新たな名を付けるが、過去を守るために。彼らの最後の戦いを記念し、新たな国にHammerfellという名をつけ、Redguardという名を決めたのである。
偉大な戦士たる王子Hundingの名誉を讃え、Hammerfellの各々の家庭は実際に炉辺の近くに十分な広さの床の間、ちょっとした空間を設けるのである。巻物――The Book of Circlesを置くために。