Wabbajack
Wabbajackについて
著者不明

 大人の見ていないところでは、男の子に不滅なる闇の力を振り絞らせてはいけない。わかっている、わかっているとも。しかし、First Seedの五日の晴れた夜、私は大人にいて欲しくなかった。私は知識、修得、歯茎、上薬のDaedra、Hermaeus Moraに会いたかったんだ。何しろ、私は、故郷の図書館の地下に住んでいた広い胸を持っていた美しい男に、First Seedの五日がHermaeus Moraの夜だと言われたんだ。それで、知識の書Oghma Infiniumが欲しいなら、そいつを呼び出さなくてはならなかった。仮に、お前がSolitudeの新しい王様になったとしても、知識ってのは全くもって役に立つものだからな。
 普通なら、Oblivionの王子を召喚するためにはサバトやメイジギルドに行かなくてはならないだろうし、もしくは、少なくともよく調えられた枕カバーとシーツが入用だろう。図書館の地下に住んでいた男も、自分でやるところを見せてくれた。男は嵐が最高潮に達して猫を剃る前まで待るようにと告げたんだ。残りの儀式の手順は忘れてしまった。まあ、重要なことじゃない。
 何者かが現れたとき、私はHermaeus Moraだと思った。ただ疑問だったのは、読んだものによれば、Hermaeus Moraはでかくて丸い目が沢山ある、爪を持つ化け物のようだとあったんだが、この男は見た感じは、ベストを着た銀行員だったことだ。それに、男は自分のことをHermaeus Moraではなく、Sheogorathだと何度も言っていた。でも、私はHermaeus Moraを上手に召喚できて満足だった。矛盾は気にならなかった。奴は特に意味のなさそうな少しばかりの用を私にさせて、(定命の者の視野や、幅や限界を超えていたようには思う)それから、奴の従者は喜んで、奴がWabbajackと呼んでいた何かを与えたんだ。Wabbajack。Wabbajack。Wabbajack。
 Wabbajack。Wabbajack。Wabbajack。
 Wabbajack。Wabbajack。Wabbajack。
 多分、Wabbajackが知識の本だったんだろう。多分、私はもっと賢くなったんだろう。だって、猫が蝙蝠で鼠で帽子で蝿でそれでこれらでありえるとわかったんだからな、それに、扉が猪でいびきで床で轟きで胞子でお前のもので私のものだということもな。私は頭が良くなったに違いない。だって、系が繋がっていることがはっきりわかってるんだから。ところで、もしくは、どうして、みんな私を狂っているといい続けるんだろうな?
 Wabbajack。Wabbajack。Wabbajack。


 訳注。
 「Solitudeの新しい王」という下りから、著者はPelagius Septim IIIであることが疑われている。
 「猫が蝙蝠〜私のもの」という部分は、原文では「cats can be bats can be rats can be hats can be gnats can be thats can be thises. And that doors can be boars can be snores can be floors can be roars can be spores can be yours can be mine 」と、韻を踏んだものになっている。

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