今日は変人の日


 Kummuに行って調子が出てきたので、もう一つ巡礼に行くか、と、武勇の聖地Koal CaveのあるGnisisに行くことにした。Ald'ruhnで乗り換えて出発進行。


 Gnisisでご飯を食べてのんびり休憩し、装備の手入れもしていざ、洞窟に。


 あれがガイドにあった石のアーチだな。Silt Strider乗り場からすぐ南の川を越えるので、浮遊魔法があると近道できてオトクである。


 そのまま道なりに行くと、Koal Cave。さて、どんな所なのか。


 入り口からすぐの所に石碑があった。奥は海中洞窟で、Dreughが住んでいる。Dreugh Waxが無ければ戦って取りに行けっつーことか。好奇心に駆られて奥も探検してみたが、あまり大した宝は無かった気がする。真珠は五つくらい取れたけど。まあ、真珠もWaxも下手な武器防具よりいい値段なので、水中呼吸の魔法かポーションさえあれば探検する価値があるかもしれない。
 石碑の言葉は『武勇を称えよ。Load Vivecの武勇に感謝いたします。怖気づき、逃げたりしません。敵と己の恐怖に立ち向かいます』・・・か。中々出来ることじゃねえよなー。




 さて、俺はその後、GnisisからAld'ruhn方面に向かってのんびり洞窟を攻略していたのだが、Milk洞窟で変な人と出会った。うん。野盗か密売人だと思ってうっかり一発入れてしまったが。Calm Humanoidを覚えてなかったら大惨事になるところであった。よく見ればEbony製の滅茶苦茶高価な武具を身に着けている。ただの密売人や野盗はこんな高価な装いをしていない。
 目の前の男は、(俺の魔法で)落ち着きを取り戻すと、Arethan Mandasと名乗ってめそめそと泣き崩れた。


「ああ、我が娘が、娘が居なくなってしまった。お前は何か知らないかね? Delynaというんだ。娘が、とても勇敢な子が。あの愚か者め、勇敢で馬鹿なスパイだ。Tel Fyrの愚か者め。ああ、父(farther)よ、父よ、私は知っておりますとも。いいえ、いいえ、遠く(further)ではありません。知るはずもありますまい。Llerar、すまない、本当にすまない、こんな酷い約束をしてしまった。私の宝石は消えてしまった、心は張り裂けんばかりだ。ガードでは私の蝶を見つけられまい。ああ、狂気よ! お前の胸にしがみついて包まれたい! ポットと鍋と瓶と缶と。家具、私の家具のため。彼女の木。塔を恐怖する。花と木と鳥と蜂と私の目を惹きつける。塔だ。決定だ。完全なOblivion、Oblivionで休み、休んで死が飛び跳ねている」

 ((((;゜д゜))))

 前半はまだ正気だったが後半はもう狂人のそれになっていた。
 それでも意味を成している部分を繋ぎ合わせると、Tel Fryが娘さんと関係あるのか? この前Odaishahを暗殺しに行った時にそんな塔がある島の近くを通りかかったけれど・・・。


 あまりに気になってしまったのでTel Fryに来てみた。ここからSadrith Mora行きの船はあるが、ここに来る交通機関は無い。Telvanniの魔術師が住んでいるんだろうか? しかしまあ・・・俺も物好きだな。
 中に入ってみたけれど、Corprusの患者の療養所・・・というか、ホスピスに宝探しダンジョンがくっついてるみたいな場所らしい。なーんか中にいた人も変な人だったけれど、長居はしないに限る。
 あちこち探し回って、鍵のかかった扉があったので早速、Spellmakerさんに作ってもらった覚えたてのレベル100の開錠魔法、Hirake Gomaを試してみる。尚、俺に命名のセンスは無いので開錠魔法の名前には突っ込まないで欲しい。


 そうしたら、粗末な寝床に女が・・・って、どう見ても監禁です。本当にありがとうございました。女性は見知らぬはずの俺を見て、Delya Mandasと名乗り、目を輝かせた。

「誰なの? 父が貴方を送ったの? ここから連れ出してもらってもいいかしら?」


 うわ、まさかビンゴ!? なんてこった。とはいえ、見捨ててはおけず、ここから連れ出すことにする。幸い、廊下に人はいないので、受付のような感じの部屋にいた女さえやり過ごせばなんてことはない。


「助けてくれてありがとう。このロケットを父に渡してくださらないかしら。Arethan Mandasという名前です。私は虜囚の身から助け出されましたが、放棄できない務めがあります。事を成したら父の元に行くつもりです。それまでの間に合わせではありますが、父にそのロケットを渡してください。どこにいるのかはわかりませんが、Ald'ruhnに住んでいる古い友人のAthyn Sarethiさんなら教えてくれるでしょう。このロケットを持っていって私は無事であると伝えて下さい。私たちの家はCorprusの感染者たちに押し入られてしまいまして、どこに父がいるのか知らないのです」

 名前からしてこの塔はTelvanni系っぽいので、もしかしたらHouse War絡みで何かあったんだろうか。それにしても・・・。


 お父さんはMilk洞窟にいました。はい。後で知ったことなのだが、Athyn Sarethi氏はRedoranの貴族。その人に大変なお世話になろうなどとは、この時は全く予想していなかったのであるが・・・。

「娘や、私の娘や、私のDelya Mandas。聖Delyn、は男だった。それは鍵、あの子のロケット、鍵をかけておいて。あの子のポケットの中。誰がロケットを持っている?」

 パパンさんは相変わらずマッドネスに泣き叫んでいた。娘さんお父さん見て何て思うだろう・・・というか、俺の言葉が通じるだろうか。

「Delyaさんは・・・」
「私の娘だ。どこにいる? それは・・・あの子のロケット? あの子の? なんてことだ! 知っているんだな! 知っているんだろう!」
「む、娘さんは無事です、このロケットを持っていくようにと・・・あの、首を掴まないでくださグエ」

 ガクガク揺さぶられながらもロケットを差し出すと、Arethanさんは目の色を変えて俺のロケットをひったくった。しばらくの間それを見て放心状態だったが、この人大丈夫だろうかと思い始めた頃、Arethanさんは口を開いた。

「あの子は・・・無事、無事なのか。あの子のためにも気を確かにしなくては。そうとも。ありがとう、Yui-Li。道端で人襲うことは止めるよ。悪いことをした。しかし、何をすればいいんだろう? ガードは忠実だし、いつも私を見ている。Athynを訪ねてくれ」

 ちなみにこの人、Redoranの貴族らしい。それがこんなところにいるとはなー。
 ま、Ald'ruhnもすぐそこであるし、と、道なりに歩いていたらとんでもないものを目にした。




 ええと・・・これは・・・パンツに靴と篭手か。萌えでも追求しているんだろうか。全裸よりもちょこっと着ていたほうが萌えるという人も界隈にいるし・・・でもどうみてもガチムチな男だけれど・・・いや、これが俗に言う女性向きというやつか?

「そんなわけあるか! アホ!!」
「うわお」

 聞こえていたようだ。アッハッハ(笑)

「アッハッハじゃねえ! ちょっと聞け、そして俺の斧のことを感じてくれ! この魔法が解けねえと、このHisin Deep-Raedは血塗れになっちまう!」
「魔法?」
「そーだ。腐れ魔女が俺に呪いをかけてこの場所に縛り付けたんだ。それをWitchwitherと呼んでいた。腐れ売女め! 俺はエスコートしただけなんだ、女は良さげで、親切で・・・ああそうとも。それから腐れ魔女は俺に魔法をかけてここに放置しやがった。半裸にしてな、俺の生き恥を世界に晒すためにだ! Hisin Deep-Raedは馬鹿にされるのは慣れておらん、見知らぬ人よ! あの女のはらわたを地面にぶちまけてやる!」

 どーせ女と見てエスコートしてたらムラムラしてきたんだろ・・・と思ったのだが、半裸でこんな場所に放置とは、飢えた野生動物に襲って下さいと言っているようなもんである。俺の寝覚めのためにも、麻痺くらいは治してやるか。えーと、Cure Disease Potionか魔法でいいのだが、俺の手作りは嫌だと抜かしやがったのでAld'ruhnまで買いに行くとするか。

「お前は誉れ高き者だ。俺は人の上に立つような者だがな。私の父の父の父の、そのまた父がそういう行為を歌として歌ったものだが俺も何ら変わることがない。俺は市販の薬は大っ嫌いだが評判の良い錬金術師から一本もらって俺をこの束縛から解放したまえ、さすれば褒美をやろう。そしてあのあばずれ女に死を!」


 くそ、俺の寝覚めに関係しなかったらこのままにしておくものを・・・。
 ま、メイジギルドに行って安くて苦い一瓶を買うことにする。ちなみに、男と同じポーズだが、真似してるんじゃなくてRed Mountainから吹き付けるBlightを含んだ風が酷くてまともに前が見れないのである。


 瓶を手に戻ると、魔女のことを死ね死ね売女とぐちぐち呟きながら相変わらずな格好のままで突っ立っていた。まあ、Nordだから風邪はひくまい。おまけにバカだし。

「おお、ポーションを持ってきてくれたのか、それを飲ませておくれ!」

 そう言ったので、瓶を男の口に突っ込んだ。目ン玉が苦味で丸くなってたが。ポーションはすぐ効いて、途端に体の麻痺がとれた。確かめるようにその辺を二、三歩歩いてHisinは口を開いた。

「この魔術から自由になれたぞ! Hisin Deep-Raedはお前を友と呼ぼう、Yui-Li。これを取ってくれ、Icecapといって、俺の家の兜なのだ。俺の父の父のそのまた父から伝わったものなのだ。夜の寒さから身を守ってくれるだろうよ。名誉と共に身に着けるが良い。さて、あの魔女をぶっ殺さねば。あの女の首を棒に刺して晒し首にしてやる!」

 そういって押し付けられたIcecapは、氷系魔法を30%カットする代物。ただし、エンチャントの性能はともかくあまり防御力のない代物なので評価額は65ゴールドと、格安である。それに氷魔法なんて使ってくる敵はそんなにいないしな・・・。ま、ともあれメイジギルドの俺のベッドの上にでも放り投げておくことにするか・・・と考えながら、今度こそAld'ruhnへ向かった。

 しかし、俺はまだ知らなかった。
 魔女に引っかかったバカは他にもいるということを。

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(2008.6.11)