半裸の男女や触手モンスターがお待ちかねのイケナイ教団
せーのっ。
おお、当たった当たった。
今使ったのはギルドで購入した炎魔法。見かけは派手だがそれほど威力は無いので、対野生動物に使う。高度な魔法は買ったところで使えないしな。
飛び道具は一度使うと、高い確率で二度と使えない状態になってしまうのが難点だ。破壊魔法は得意というわけではないが、節約のために覚えていて損は無い。
何故Molag Marを離れて冒険してるのかというと。
Tel Branoraから帰還して、メイジギルドに手紙の返事(割と好感触だった)を貰ってから数日後のことだった。持ち込んだ大量の薬草から薬を作るために手伝ったり、あるいは師から講義を受けたりなどしていたのだ。特にどこにも行かずにお勤めをしていたというわけ。
んで、その日は寺院の周囲に溜まった灰を掻き出して掃除してたんだが、寺院の前を通りかかったAltmerのRumareさんからこんな噂話を聞かせてもらったのだ。
「Mount Kandの北西にあるLake Nabiaの東の辺りに巡礼する者がいることを聞いたか? その辺は巡礼者の集団がこぞるような場所なんて無いんだけどねえ」
「おかしなこともあるもんですね。おかしなことといえば、そういや・・・」
とまあ、その場はそれで終わったのだが、そこは噂話。何人もの人が同じことを言うもんだから、「その辺を見回ってきなさい」と師に言われてしまったわけだ。普通ならRedoranの人たちが派遣されるところだが、場所がアバウトすぎて遠くまでパトロールさせることはしたくないんだろう。まあ、その辺臨時の手伝いである俺なら小回りが効くし、山中に出没するDaedraとやり合える程度に腕はあるし、危なくなったらRecallで戻ってこれる。
とはいえ、「不安の芽を無視していないことを人民にアピールする」のが目的だから、何も起きて無くてもOKというわけで。むしろ何も事件なんか起きてないほうが望ましいんだがな。
この辺は人里はなれた山地だから、官憲の目もなかなか行き届いていない。いつぞやのRanis師が、俺に元Telvanniの魔術師を説得させたり、溜め込んだ会費の徴収をしにLake Nabia付近に俺を派遣したことがあったっけ。そういうわけで、Molag Amur地方は人嫌いの魔術師の住まいとかが点在している程度の寂れた地だ。他に人が集まってるところといえば、Ashlanderのキャンプ地程度。誰かがこそこそ何かをやるには好都合な場所とも言える。
手がかりもそれほど無い状態で無闇に動くのもアレだから、とりあえずSuranの周辺から巡回して、怪しいものが無いか見て回ることにしよう。件の湖って、Suranの北にあるし。
Golden Saintのおねーちゃんと決闘したり。ついでに薬草でも摘んで、Templeのお財布の足しにでもしようかね。
歩きまわった結果、Suranの北にBal Urという遺跡があるのを発見し、探索することにした。これ? 俺を見るなり襲い掛かってきたDremora Lordが落としてったDaedric Dai-Katanaさ。元々俺は長剣使いなんで、こんな逸品を偶然とはいえ手にすることが出来て凄く嬉しい。それにとっても綺麗だ。評価額は12万ゴールド。Daedric製品はアッチの人たちの量産品とはいえ、人間界に出回る数は少ないもんだから、下手なアーティファクトよりも高額になることもあるらしい。
Tantoもゲットした。KatanaとWakizashiは既に所有してるので、Akaviri系な感じのDaedric武器は全てゲットできたことになる。
今度からDai-Katana使って、サブでTantoを使うことにするかな。今使ってる長剣Chrysamereは同じ重さでこれよりも攻撃力は上だが、「聖騎士の剣」と言われてるせいか、どうも握るとむず痒いし、古代の品だから、万が一にも壊したりしないかと、振るにもちょっと遠慮してしまうのだ。
まあ、滅多なことで壊れたりはしないはずだが、気分の問題だ。
信者な皆さんに襲われかけたが、沈静魔法をかけて話し合ったらわかって頂けた。
話によると、地下に本尊が置いてあるらしい。周囲には食料や寝床も整えられてる。ここに住んでるらしいな。
地下に行くと、溶岩が流れている広間があった。
多分、あまりよろしくないDaedra Lordを信仰してるんじゃないかとは思うが、さてさて、多分あれかな。
陵辱の王Molag Balの石像が、奥に佇んでいた。
Sheogorath、Mehrunes Dagon、Malacathと並ぶ災いの家の四天王だ。なるほど、後ろ暗い連中だから、入ってきた不審者な俺を見て襲い掛かったのもうなずけるな。湖の東に向かう信者って、この遺跡に巡礼しに来た人なんだろうか。石像の足元にいる司祭さん、Molag Balの信者にも関わらず俺を襲ってくる素振りなんか見せないから、この遺跡は何か違う感じがする。とりあえず覚えておくことにしよう。
さて、遺跡を抜けて今度は東に向かう。
密売人や違法な奴隷商人の巣窟を発見。
多分、巡礼者の噂とは関係なさそうだが、見つけた以上は対処せねばなるまい。Dai-Katanaをゲットできて良かった。攻撃力がとにかく高いから、楽に相手の鎧ごと斬り飛ばせる。
飛び道具もちゃんと相手に当てられるようになってきた。動いてるのに当てるのは相変わらずダメだが。
密売人の一人から鍵を奪って、奥に押し込められていた奴隷を逃がした。
Twin Lampsのことは皆知ってるから、多分Argonian Missionのことも知ってるだろう。それでも道中、何が起きるかわからない。密売人は装備とかも溜め込んでいたから、皆めいめいに武器や防具を手にして逃げ出していった。無事に到着することを祈るしかない。
俺も、主人を刺す前に誰かが助けてくれれば、Twin Lampsの助けでBlack Marshに逃れて、今とは違った平凡な暮らしを送ることが出来たんだろうか。今となってはわからない。でも、Black Marshに俺の居場所なんてもう無いんだろうな。何でも、Black Marshには、特定の星座の下に生まれたArgonianを引き取って暗殺者として育てる組織があるらしい。向こうから見れば俺はDunmerの暗殺組織にに与する裏切り者で、恐らくは抹殺対象だ。
まあ、見たことも無いBlack Marshに未練は湧いてないし、Morag Tongに入ったことも後悔してないから良しとして・・・と歩きながら考えてるうちに、Dunmerの古代の要塞が視界に入った。地図を確認すると、「Telasero」という名前なんだそうな。
もの珍しさに「転送室」に入ってみた。
対応する「Index」というものを持っていると、別の遺跡に転送されるという噂話を聞いたことがある。Daedric製の弓をゲットしたときに傍に落ちてて拾ったのは覚えてる。でも、使い道が文鎮にするくらいしかなかったから今はタンスの肥やしになってるはずだ。大体、持ってても、要塞なんざ人里離れたところにあるから、Indexを持ってたところで使い勝手は推して知るべし。
そしてここは、
Sixth House Cultの根城!
全く異形の奴ら夢に浮かされた奴らが真っ赤な蝋燭の灯りつけてウヨウヨしやがって。
「半裸の男女や触手モンスターが赤い蝋燭に火を灯して集まるイケナイ教団――教祖様は危険が一杯――」と書くと何というか、別の意味で邪教扱いされる集団になりそうだな。間違ったことを言ってはいないのだが。でも・・・。
Dagoth Urは一体何がしたいんだろう。裏切り者のTribunalの三柱と、外国人に怒りを覚えているけれど、それが支配欲と絡んで手のつけられないほど増長してる。
Kagrenacの道具の力に浮かされるがままに、歯止めもなく暴走しているのが今の有様だ。Dagoth UrはNerevarに、道具を見張るように言われただけで、山を降りて今のTribunalに相談をして一緒に山に登る間、何かの原因でうっかり使ってしまってあんなことになった。
もし、あの時居残ってたのがNerevarで、Dagoth Urが山を降りてたらどうなったんだろう?
・・・もしかしたら、今ここにいるのはDagoth Urの生まれ変わりで、俺は、というか、NerevarはRed Mountainに君臨している、ということになったとしも全く不思議は無い。
神の心臓さえ山に無かったら。Kagrenacが、新しく神を創ろうなどと思わなかったら。Dagoth Urが道具を使わなかったら・・・ほんの僅かな欲や偶然が折り重なって、今の災厄に繋がってる。
それでも、Dagoth Urが完全に悪いわけではないとしても、許されることではない。今、あいつがやってることはどう考えても誰かが止めなければならないのだ。俺にそれが出来るんだろうか・・・。
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(2009.4.21)