吸血鬼狩り・後編
さて、本島に上陸し、西にテコテコ歩いてたら、Grave近くで人を見つけた。この辺一帯は人気も何にも無い場所だ。気になって話しかけてみたら、驚きと安堵が混ざったような表情を浮かべた。こんな場所で人にめぐり合ったということに感激しているのか、簡単に気を許して俺にあれこれ話しかけてきた。
「Argonianさん、気をつけることです。この辺は盗人Ashlanderが出没するんですよ。二人組みにTel Aruhnまで運ぶGuarの皮の積荷を盗まれました」
「またAshlanderかい」
「ええ、二人組みが襲い掛かってきて私の皮を。やってくるのが見えなかったんです。こっそりとそのAshlanderどもはやって来たんですよ。もし取り返してきてくれたら、心から感謝いたします。私よりも少しはここら辺のことに詳しいとお見受けいたします。取り返してきてくれた場合、Tel Aruhnにいる父が災難への見返りを支払ってくれるものと約束いたします」
「Ashlanderが関わってると言えば見捨てておけないな。わかった」
ただしこれから仕事で吸血鬼退治に行かなくてはならないから、その後になっても良いか、と言うと、それでも構わないと言ってくれた。
「嬉しいです! 私ではこんな初めての場所で探そうなんてしたら永遠の時間がかかってしまいますからね。運が良かった。そこそこの規模の家畜の群れがここから南のそう遠くない場所で見かけたんです。取り返してきてくれたら凄く嬉しいですし、積荷を運ぶことができます」
南のそう遠くない場所に家畜、ね・・・。地図を広げてみたが、いつぞやMorag Tongの仕事の際に一泊お世話になったAshlanderの野営地があるばかりだ。そこのAshkhanは冷酷無比だから気をつけるべしとWise Womanさんは忠告してくれたっけ。まずいなあ、下手すると斬り合いになるかも。一泊の恩を仇で返すのもアレだが、うーん。
悩んでいても仕方が無いか。とっとと吸血鬼を退治して、キャンプに行くべ。
溶岩の川を西へ。
しばらく歩いていると、Galom Darusらしき建造物が目に入った。ここで間違いないようだな。念のために周囲を歩き回って確認したが、入り口は一箇所のみ。取り逃す心配はあんまりない。
さて、師から預かってきたハンマーだが・・・師には悪いが腰がフラついて俺では上手く扱えない。折角の心遣いだが、これは後で返却しておこう。なーに、Clanの本拠地だってんなら、お宝もそれなりにあるだろ。
それに、Daedricの武器ならこっちも持ってる。得物に不足はなし。さ、陽が沈まないうちに行こう。
入ってすぐの部屋に、見張りらしき女がうろついているのが見えた。腰から銀の投擲武器を出そうとしたが・・・やめた。相手は吸血鬼、それも隠密の才能を特化させた奴らだ。吸血鬼との戦いでは、体力を吸い取られる故に相手の接近を許すべきではないが、隠密に長けた者相手に武器を投げても、たちまち居場所を特定されて距離を詰められる可能性が高い。しかしその反面、隠密を好む者は軽装備を纏う傾向が強く、総じて防御力は弱い。つまり何が言いたいかってーと。
ダメージ覚悟で突っ込んで短期決戦する!!
突然の襲撃に、鎧を纏ったり武器を取る間もなかった者がいたのが幸いだった。こちらの襲撃の情報は感知されてはいなかったと見える。
遺跡の中には、驚くべきことに吸血鬼でない人間たちもいた。彼らは「Cattle」と呼ばれ、血を供するためだけに生かされている家畜なのだそうな。人里離れた場所でも暮せたのは彼らがいたからでもあるか。ムカつくな。吸血病感染の傾向は見られなかったが、念のため治癒魔法をかけて金を持たせると、逃げるように急かした。
吸血鬼たちはここで暮していたらしく、それなりの設備もあるようだ。鍛冶屋らしきものを営んでいる吸血鬼もいたらしい。とりあえずDaedric Bootsはもらっておいた。残りは、家畜とされていた人たちのために残しておく。それなりに武器も鎧もあるから、道中、高位Daedraにさえ出会わなければ町まで逃げられるはずだ。
間違って吸血鬼以外の人を攻撃しちゃいかんから、戦いに巻き込ませないようにするのも一苦労だ。幸い俺は病気には感染しないからまだ精神的には楽だが。
って・・・Dwemerの兵器!?
Dwemerの兵器を番人に使ってやがるのか。ここの親玉は知恵者だな。
その親玉、Raxle Berneは、遺跡の一番奥の部屋にいた。長い時を生きていると言わんばかりの貫禄はたっぷりあったが、いかんせん纏ってる装甲が薄すぎる。Daedricの刃を止めたいなら、Glassの武具を着てくることだ。刀で装甲ごとスッパリと斬らせてもらった。
ざっと検分したが、机の上には何やらよくわからない兵器の研究書らしきものがある程度で、大したものは発見できなかった。
それにしても、三大ClanのBerneの本拠地を潰したなんてなあ。あまりに呆気なさ過ぎて、ちょっと自覚が湧かないでもない。自分が強くなったっていう証なんだろうか?
いずれにしても、吸血鬼の他のClanにも揺さぶりをかけることができたな。Clan同士は仲が悪いみたいだから、三竦み状態から解放されて、QuarraとAundaeは本格的な抗争を行うことになるのかも。各地に散ってるBerneの血統の奴らが再起を図るにしても、時間がかかるだろうな。上手いこと潰しあってくれれば最高なんだが。
ま、今のところは犯罪のタネが一つ減ったってことで、よしとするか。
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(2009.5.27)