暗殺紀行


 さて、交通の便の無いGhostgateに行くと決まったからには、しばらく暗殺の仕事もできそうに無いし、支部や本部に顔を出すこともできない。Enoさんところに挨拶と報告をしに行かなきゃ。みんな相変わらずなようで何より。景気もそこそこらしい。


 Ghostgateに行くことが決まったことを報告する。今より強くなって帰ってくることを約束したが、しばらく戻ってこれないならば先に片付けておいて欲しい仕事がある、とWritを渡してくれた。

「Mavon Drenimに関する未解決のWritと、Tirer Belvaynの新しいWritがある。お前の武勇は耳にしているから、油断さえしなければ返り討ちに遭うこともあるまい」
「Mavonはどういう人物なんですか?」
「彼はここVivec市のTelvanni CompoundのPlazaにあるTelvanniの塔に住んでいる。Mephalaがお前の手を導いてくれるだろう」
「これまた近いところですね。それで、Tirerのほうは?」
「そっちはSheogorad地方の南西の海岸沿いにあるSharaという場所に居を構えている。Dagon Felに行って、Dwemerの遺跡を過ぎるまで道なりに沿って歩いていると、分かれ道に差し掛かる。それから海岸のほうへ南西に向かって歩くこと」
「わかりました〜」

 Dagon Felかー。行ったこと無いな。Dagon Fel行きの船を見たことがあるから、多分、海路を使えば行けそうだけれど。Dagon Felは島の反対側だから、まずは手近なところから始めるか。メモを書き終わると、少し休んでTelvanni居住区に向かった。


 これがその塔早速お邪魔するか。


 中の人間は、俺がMorag Tongの人間だと知っており、よそよそしい態度で接してきた。

「あら、とうとうお出ましね。邪魔するつもりは無いから。Morag Tongの人でしょ? Mavon Drenimなら上にいるわ。でもあんたが来ることは知ってるから。ああ、私が言ったって告げ口しないでね」

 俺を止めようと思うほどの忠誠心は無いみたいだな。無駄な戦いは避けたいから助かる。
 とはいえ、事前に暗殺を察知されたか。Enoさんも「未解決のWrit」と言ってるから、他に仕事を受けて失敗した奴がいるってことかな。



 ターゲットと、取り巻きが二名か。大分ピリピリしている。こりゃ、見知らぬ人間が入ったら魔法をぶちかまされるな。最上階の出入り口は一つしかないから近づこうと思ったら身を晒さざるを得ない。無視の呪文で近寄っても武器を振った瞬間に誰かに見られる。


 小細工は通用しないみたいだから、いつものように速攻で仕掛けよう。魔術師だし、鎧を纏っているように見えないから、簡単に倒せるはずだ。ニ、三発は食らうだろうが仕方が無い。


 階段を一気に駆け上がり、魔術師たちに飛び掛る。幸い、仰天したあまり俺がArgonianだと判断しきれなかったのか、一人が毒の呪文をかけてきた。攻撃を避けながら一人を斬り飛ばすと、残りの二人は剣と杖で襲い掛かってきた。


 だがまあ、塔にこもってろくに体力をつけてない魔術師の肉弾戦なぞ大して痛くも無いというわけで。



 完全に死んだことを確認すると、刀と鎧についた血を落として着替えた。


 Sadrith Moraから船に乗るのが早いので、Mages Guildの転送サービスで送ってもらう。


 そして船で北へ。


 Dagon Felは、規模は小さいが遺跡の上に建てられた町らしい。少し探してみると、遺跡の瓦礫の破片みたいなものがごろごろしている。おまけに、かつてはNordの植民地こともあるそうな。その関係で、ここはSkyrimかってくらい、結構Nordを見かける。割とユニークな町だ。


 Dagon Felで一晩休んだ後、標的の根城に向かった。曇りがちのいい天気だ。



 数時間ほど歩いただろうか。それらしいものが目に入った。あの建物、まさかまたTelvanniの奴か。どうも多いな。Enoさんが一部の魔法が効かない俺を優先してあてがってるだけかもしれないが。


 こういう辺鄙なところに住んでいるだけあって、


 他の住人はDremoraとアンデッド。


 標的は死霊術師くさいが、Daedraも従えることができるらしい。


 いたいた。騒ぎに気付いたのか、落ち着かない感じでうろうろしている。


 Bone Stlakerを召喚したか。肉体に異常をきたす魔法を仕掛けてくる厄介な奴だ。ここは短期決戦!





 二人の死をEnoさんに報告する。これでGhostgateに向かうことができるぞ。少し名残惜しくはあるが、これも修行だ。何にしても、生き延びるために強くならなくてはいけないのだから。


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(2009.7.20)