失われし呪いの遺跡


 さて、ここに来たからには恐らくRed Mountainのどこかに討伐しにいく仕事をもらうはずだ。というわけで、軽く周辺を歩き回っている。
 巡礼の祠にソウルジェムを備えると結構いい防御魔法をかけてもらえるので、それがあればかなり楽になる。門の近くにあるし、効果時間も長い。


 Vvardenfellにおける最高危険地帯だけあって、かなりの敵がウロウロしている。


 Sixth Houseっぽい奴らに加えて、Daedraがうじゃうじゃ。高温の火山地帯であり勾配も急。体力もすぐに削れていく。


 そういうわけなので、山に登る=命を捨てに行くようなもんだが、こういう中にも奇特というか、命知らずはいるもので。


 驚くべきことに、稼動中の鉱山があるのだ。勿論寺院に程近い場所にあるんだが、帝国の管轄らしい。鉱山を警備する帝国軍の兵士たちもいる。


 ここではGlass鉱石が採れるようだ。勿論、人が管理している鉱山なんで、廃坑だと思って掘り出すと犯罪行為になってしょっぴかれる。いやなに、廃坑だイヤッハーと思ってせっせとGlassを掘り出してたらガードさんが駆けつけてきてスタップされたことなんて無いぞ。本当だからな!

 それはさておき。

 盗掘は犯罪、この鉱山で採れるGlassは帝国のものとなっているから、ともすれば死刑になる。でも、闇市場で転売すればがっぽり儲かるから、盗掘された鉱石を危険だと思いつつも取引を拒否できない商人が多いそうな。ここがMoonsugarやSkoomaと違うところだな。麻薬は一目見りゃヤバイ品だとわかるが、鉱石は見た目だけでは盗掘なのか正規の品なのか判断できないし、出所が分からなくなるよう転売を繰り返せば尚更だ。
 Ghostfence内部は寺院の管轄ということになっているはずだが、まあ、その辺は帝国が上手くやったんだろうな。魔物がうじゃうじゃいる山の鉱山なんか買い手もつかないだろうし。

 さて、散歩はこの辺にして帰るか。


 * * *





「来たか」

 数日後、Red Mountainをちょくちょく歩きながら魔物退治兼錬金術の材料集めをしていた俺は師に呼び出された。なにやら深刻な顔をしている。


「Templeの聖遺物はSixth Houseの手によって多く失われていてな。失われしKogoruhnにあると思われる聖遺物を取り戻しにいって欲しい」
「Kogoruhnですか・・・場所は?」

 師は俯き、首を振った。

「失われしKogoruhnの場所は分からない。勇敢なるOrdinatorの一人、Feril Salmynが、Hair Shirt of St. Aralorを着ていた。しかし、失われしKogoruhnに調査に出かけたまま行方不明となっているのだ。恐らく死亡したと思われるが、もしもの場合もあるから、彼の無事を確かめるか、そうでなければHair Shirt of St. Aralorを取り戻して来てほしい。そうすればTempleは感謝するだろう」

 んー、聖遺物、つまりアーティファクトは強力な魔法がかけられてるから、飾るだけじゃなくて使ってる人も多いんだよな。Umbraなんかがいい例だ。
 それにしても、所在地不明か。恐らくはDunmerの遺跡だが、怪しそうな場所は調べるだけ調べよう。幾らなんでも一人でRed Mountainの奥に入り込んだとは思えないから、多分Ghostfence外部のどこかだな。Ghostfence伝いに探っていこう。
 で、調査に出かけたということは、どこかの街にも立ち寄ってたかもしれないし、地元の人でKogoruhnを知ってるって人がいるかもしれない。無闇に歩くより、まずはAld'ruhnに向かいながら調べていこう。


 Redoranが管理する鉱山に辿りついた・・・が、明らかに関係ないな。


 Daedraの遺跡に迷い込んだ・・・が、


 ただのMolag Balの神殿だった。

 そうこうして日が経つうちに、食料も無くなったのでAld'ruhnに戻ってきたが、そこで聞き込んでも手掛かりは得られなかった。
 それから数日かけてあちこち探しつつ、補給と手掛かりを求めてMaar Gunにやってきた。
 ここで手掛かりが得られないとなると、Red Mountainの北側を通ってTel Vos方面に向かわなくてはいけない。それでも駄目だとRed Mountainの山麓東半分を虱潰しに探さなくてはいけなくなるような・・・。山麓一周コースは流石に御免こうむりたいな。


「またおめおめと戻ってきたのか? 今度は何だ」
「いや、今日は鬼ごっこしに来たわけじゃないよ」


 幸い、大分時間が経っていたのでAnhaedraの怒りも冷めていたようだ。今はちょっかいをかけている場合ではないので、さっさと聞き込みを開始する。
 すると、幸いにもKogoruhnを知っている人がいた・・・というか、この辺の人はみんなどこら辺にあるかを知っていた。


 * * *


 Maar Ganから浮遊魔法で山を越えつつ、灰の中を歩くこと半日。


 地図に無い遺跡が顔を出した。あれがKogoruhnで間違いなさそうだ。
 そして・・・。


 遺跡の端で、Feril Salmynは帰らぬ人となっていた。


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(2009.8.2)