消えたDwemerの謎を追え!?
さて、Red Mountainの仕事を終えてしばらく臨時の仕事も無いもんだから、僧侶は只今休業中だ。そこで、久しぶりにVivecのHidden Arenaに腰を落ち着けて本業に精を出していたのだが、腐ってもMages Guildの一員ということで、講義なども受けに行っている。今日もそんなわけでMages Guildに来たのだ。Vivecはアクセスが良くて良いね。
数時間の有意義な講義を受けて、Arenaに帰ろうとしたその時、俺を呼び止めるものがあった。
「・・・Archmage? 何か御用で? まさか、任務でも?」
魔術に関する技量は申し分の無いものなのだが、そんなに仕事をこなしているわけでもない。それなのにArchmage直々のハイランクな仕事を引き受けることもあるのかな? まあ話しかけてきたんだからそういう話だろう、と思って言ったのだが。
「ふむ・・・任務、と言ったね? そうだ、Mages Guildはいくつかやらねばならぬ事があってだな。ほら、うーん・・・Dwarfの消滅に関しての発見とか。ああそうだ、君になかなかいい仕事じゃないかね、Magician君」
「ああそうですね・・・え?」
Dwemer消滅の手掛かりを発見して来い!?
俺の動揺をよそに、Archmageは続けた。
「何を言いかけてたんだったかな? ああ、そうそう、Dwarfの消滅の発見についてだったかな。Ald'ruhn支部のEdwinnaに話をしてはどうかな? 君たち二人なら上手にやれるだろうよ。
単純な仕事だ。ただ、いくつか遺跡に行って・・・あー、何が彼らに起こったか見つけてくるんだ。Mages Guildにいる何人かは君にヒントをくれるさ」
アホのTreboniusの前をさっさと辞して、Hidden Arenaのメンバーでパーっと遊ぼうかとでも思ったが。
少しでも学んだ人間ならば、Dwemerの消滅がそう単純に解決できる問題ではないことはすぐにわかるはずだ。もし簡単ならば、とっくにどこかの誰かが発見してるはず。
Archmageは頭と頭皮の具合と評判が悪いからなあ・・・仲間のギルド員も、別に言うことなど聞かなくていいと耳打ちしてくれるくらいだし、俺がこの任務を無視しても問題は無い。無いのだが・・・興味は有る。何せ、俺に間接的にだが、関わりの有ることだし。
つまり、任務を無視しても問題は無いが、引き受けても問題は無い。
というわけで、早速BalmoraのAntabolis氏に会いに行った。
トレーニングの指導が終わってから面談に応じてくれたが、知識を求めてくれるのが嬉しいのか、にこやかに答えてくれた。
「Dwarfの消滅は、帝国の記録よりも前のことだね。Dunmerの口承では、Dwemerが冒涜的なこと、神を穢すことをして完全に消えてしまったと伝えている。Dwarfの遺跡はTamrielの各地に点在しているし、Dwemer製の武器、鎧、家具、コイン、他のアイテムは見つかることもあるんだが、Dwemerの消滅を取り巻く状況は、Tamrielの最も大きな謎でね」
「その辺の話なら、俺もよく聞きましたね」
氏は「ふむ、ならば」と、別のことを教えてくれた。
「VvardenfellにはDwemerの居住地が多くあるが、MzuleftとNchuleftingthという最大規模のものが二箇所ある。Mzuleftは呪われ、危険な場所で、近づくことも禁じられている。NchuleftingthはImperial Archaeological Commission(帝国考古学会)の調査隊が入っているけど、訪問者には公開されてないね」
「そうですか、ありがとうございました」
Mzuleftは近づくことは禁じられているとはいえ、見張りがいるわけではあるまい。侵入するのは容易いだろう(いたら別だが)。ただ、Nchuleftingthのほうは、人がいるらしいからなあ。誰かの許可が必要・・・そうだ、Ald'ruhn支部のEdwinna師がいるな。
Edwinna師の専門は考古学、それもDwemerのことに明るいし、Mages Guildならコネか任務で入れてくれることもあるかもしれない。Mzuleftだって、俺も正確な位置を知らないから、師が教えてくれることも有りうる。あのハゲの助言は的外れでは無かったようだ。
というわけで、久しぶりに師に会いに行くことにした。
相変わらず急がしそうで、俺に話しかけられたときも少々うんざり気味だったが、何か手伝えることは無いか、と言うと、途端に顔色を変えて、本を探してきて欲しい、と申し付けてきた。
「ええ、Magician。手伝えることがあってよ。『Chronicles of Nchuleft』ってDwarfの希少本の写しを探してるの。希少なDwarfの大冊で、Mages Guildのどの支部も写しが無くて、私の研究にとにかく”重要”ですの。写しを見つけてくださらない?」
何をするにもまずは下働きから。直接俺に重要なものではないが、Dwemerに関係する書物だ、見て置いて損も無い。
俺はVivecに戻っていつもの本屋に寄る事にした。
店主もレア本に明るく、一部あると教えてくれたので、早速それを買い取る。お金なら師から貰っているし、特に何事も起きなかった。たまにはこういう落ち着いた仕事もいいね。
さて、数時間もしないうちに本は見つかったが、もう少しのんびりしていてもいいだろう。早速Hidden Arenaに帰ると、ふかふかの広いベッドに寝転がって本を開いた。
Chronicles of Nchuleft
Nchuleft年代記
An anonymous Altmer 著
無名のAltmer 著
23. Lord Ihlendamの死
Lord IhlendamがWestern Uplands(西高原)を旅するにあたり、Nchuleftに来訪したことはSecond Planting(P.D. 1220年)に起きたことである。そしてProtector AnchardとRkungthunch将軍は彼にそこで会い、Dalen-Zanchuもまた会合に加わった。彼らは、長い間相談した。しかし、これが互いに友人である彼らの唯一知られている仕事であった。彼らは別れ、各々が自分の居住区に戻って行った。
Bluthanchと彼女の息子は、この会議を嗅ぎ付けて、Councilたちに対する反逆の陰謀を企てる密談を見た。彼らは自分たちの間で、しばしばこれについて話をしていたのだ。春が到来した時、Bamz-Amschendの広間で、Councilたちは、通常通り、Council Meetを宣言した。人々は従って、集い、エールと歌で絆を深め、威勢良く飲み、沢山の、多くの物事が酒の席で徹底的に話し合わた。これが、異なるDwemer間の比べ合いであり、遂にはCouncilorたち自身の比較になるのである。
ある者は、Lord Ihlendamが断然、あらゆる点で仲間のCouncilorたちより優れていると口にした。これで、Councilor Bluthanchは非常に怒り、彼女がLord Ihlendamより劣ることはないこと、そして、彼女がそれを証明したがっていたことを言った。たちまち、両方の郎党は燃え上がり、互いに戦いを挑まんとして武器のところまで走っていった、しかし、あまり酔っておらず、より判断力がある一部の住人は、彼らの仲に割って入り、なだめたのだ。そして各々は己が居住区に戻ったが、誰もが二度と平穏のうちに再会することはあるまいと予想した。
しかしそれから、秋になり、Lord IhlendamはCouncilor Bluthanchからのメッセージを受け取った。Hendor-Stardumzでの和平交渉の招待であった。そして、全てのIhlendamの親類と市民は裏切りを恐れて彼に行かないよう強く訴えたが、Lord Ihlendamは助言を聞かず、儀杖兵さえつけなかったのである。そして、悲しいことに、Hendor-Stardumzに向かう間、Chinzinch Passにおいて、多数の穢れた生き物がLord Ihlendamを襲い、彼と彼の郎党を皆殺しにした事件が起きた。そして、多くの市民はその後、Bluthanchと彼女の息子がこれら獣を目の前に呼び出し、Lord Ihlendamにけしかけたと主張したが、証明はされなかった。Lord Ihlendamは、Leftunchと呼ばれる場所に埋葬されている。
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(2010.3.3)