メイジ大学入学記念
帝都はアルケイン大学。通称「メイジ大学」なんて呼ばれていたりする。画面の外の呼び名だが。
それはさておき。普通の人はロビーまでしか入ることは許されない。それ以外の者は両隣の鉄の門がかたくなに部外者を拒む。
俺を出迎えてくれたのは、執政官のRaminus Polus師だった。
「全支部からの推薦状を受け取りました。本校への入学を認めましょう。よくがんばりましたね」
「いえ、ありがとうございます」
「なに、『黒衣の英雄』を迎える事が出来てこちらとしても光栄です。ハハハ。早速だが、君はただの構成員という立場から『見習い』の地位に昇進する。そこで、この見習いのローブを授与されることになる。まずそれを着なさい。英雄といえど見習いという立場には変わりないのですから」
手渡されたのは緑色を基調としたローブ。エンチャントもされており、意志力+6。ありがたく頂戴して、早速袖を通した。
「早速だが・・・ギルドはどうだったかね。正直に感想を述べてくれて構いませんが」
「正直に、ですか・・・」
Raminusは、俺の歯切れの悪い返答に何かを納得したようだった。
Morrowindのギルドもアレだったからなあ。野良魔術師根絶! ギルドに入らなければ殺しておしまい! ってかなり過激な師がいて・・・いやまあ他の師もクセモノ揃いでDwamerオタクとか、盗賊ギルドと仲がいいのか要請を受けてバトルメイジを派遣してたりとか・・・そっちの師たちの任務はフツーだったなあ。
「君の返答そのものがギルドの現状だろう。LeyawiinではDagailを引き摺り下ろす企みがあり、Cheydinhalではネクロマンサー騒ぎがあった。中にはまともな試験を課した者もいるかもしれないが、単に雑用を押し付けた・・・いやいや。とにかく、私たちは魔術師という存在をより高い次元に持ち上げていこうと努力しているが、所詮人間だ。だが、まだ素晴らしいものを達成する可能性を秘めていることを知っていて欲しい」
ギルドは、現在の大魔術師が就任する際に評議会の半数が辞職する騒ぎになったという。それに伴い、大勢の魔術師がギルドを辞めたことだろう。実績を上げていない俺がとんとん拍子に入学する事が出来たのも、人員が足りないせいかもしれない。今のところギルドを維持する人数は保っているようだが・・・。俺は有名人だから、ギルドを盛り上げるのに願ったり叶ったりということか。
Raminusは俺の心を知ってかしらずか、俺が正式に入学する前の準備について説明した。
「魔術師は全員杖を持ち歩いている。それはギルドによって念入りに作られエンチャントされる、地位の象徴だ。君にもそのような杖が必要になる。帝都の北東のWellspring caveを通り抜けた先の林の木が使われていてね、先に林に向かった魔術師がいるから、ああ、ZahrashaとEletteというのだが。彼女たちと話してくれ」
これがその洞窟。この先に、Rumare湖に浮かぶ一つの島がある。断崖絶壁で水上からアタックすることはできないが、洞窟が通路になっており、そこで往来が出来るらしい。杖用の木を保護するためにいつもは島側の扉に鍵がかかっているそうな。空からアタックできないの? って話だが、残念ながらCyrodiilでは浮遊魔法は使われていない。道が良く整備されているからだろうか。
こんにちはー・・・って。
お前等なにしとるんだ!!!
陣取っていたのはネクロマンサーたち。俺を見るとすぐさま襲い掛かってきた。足元に転がっているのは先に向かったというギルドの魔術師の遺体。彼等に殺されてしまったようだ・・・何が目的だ?
洞窟は生活の痕跡があった。多分、ギルド員が寝泊りすることがあったのだろう。
洞窟を抜けると、ネクロマンサーが魔術師を殺害するところだった。間に合わなかったとは!!
俺に気付いたネクロマンサーの女が、俺に話しかける。
「ここでなにをしましょうか? おもちゃ遊びでもどう?」
おもちゃ・・・おもちゃだと? 人の身体が?
「雑魚め、私のために踊りなさい。そうよ、あなたが踊るのよ。あなたの死体を躍らせてから、引き裂いてやるわ!」
そうか、死ね。
ごめんなさい。間に合いませんでした・・・。Kvatchも、修道院の時もそうだった。俺は遅すぎる・・・。
幸いというべきか、一応杖はあったので、それを持ち帰ってRaminusに何が起こったのか報告することにした。
「何? 洞窟にネクロマンサーがいたのか?」
「ElettaとZahrashaは死んでいました」
「死んだ・・・? 信じられん! 今まで彼等はこれほど大胆ではなかった。常に陰に隠れ、ギルドから離れている。どうしてこんな事が起こったのだ」
「彼等は同じローブを着ていました。もしかしたら徒党を組み始めたのかも」
「ふむ。この件については評議会で話し合う必要があるな。知らせてくれてありがとう。さあ、君の杖を手に入れに向かうんだ。必要なら傷の手当てをしていけ。ChironasiumにいるDelmarが君の杖の手助けをしてくれるだろう」
この人がDelmarさん。杖に魔力をこめる職人さん、といった感じだ。どんな杖を選ぶのか、という話になったが、少し考えてテレキネシスの杖にすることに決めた。俺はテレキネシスの呪文は覚えていないのだ。
杖ができるまでに一日かかるそうなので、その間に俺は家に帰ってその辺をぷらぷらすることにした。
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(2007.1.9)