叶わぬ願い、死せる夢


 Oblivionの脅威に立ち向かうとは言っても、『神聖なるXarxes』の解読が進まないことにはどうしようもない。Martinを手伝って資料を検索したり。


 錬金術の腕を生かしてポーションを作ったり。俺は寒いところとBladesは嫌いなんで、ここに篭っていることは本当は嫌なんだが、Bladesの連中は手伝えるような人物がいないので仕方がない。護衛とスパイの技能には長けていても、学者がやるようなちまちました研究には向いていないのだ。Daedraに対する知識を持ってるのってそうそういないんだよなあ。Martin一人にやらせるというのもアレで、見るに見かねて俺が手伝うことになった。誰にも言ってはいないが、六年前の任務の際に、役立つこともあるかもしれないと、MorrowindのTribunal Templeに在籍していたこともあるし。(身分上気まずくなって脱退したが)TempleってDaedra LoadのAzura、Mephala、Boethiahも『善きDaedra』として崇めてるからそれなりにDaedraの研究は恵まれていたんだよな。
 まーそれに、Martinのことを放っておけないのもあるか。六年前の俺を見ているようで、あの糞皇帝の息子ではあるが助けてやりたいってのはある。何かさー、Kvatch襲撃を境にいきなり世界が180度変わっちゃって、フツーに暮らしていたのが今や殿下だもんなあ。俺だって、ある日突然、お前は古代の英雄だとか言われちゃって、Dagoth Urを倒したらちやほやされるようになっちゃってさあ、ふざけるなっつの。俺はこうして逃げることが出来たが、Martinはそうもいかないしね。でも、この事件に巻き込まれたのを見ると、俺も運命から逃げ切れてないかもしれないが。

 うーん。

 Martinが俺のこと知ったらどうするんだろうなあ。危険人物と見なして、殺すのかなあ。


 そんなことを考えながら日々を過ごしているうちに、Jauffreからお呼びがかかった。

「Night、ちょっといいだろうか」
「何ですか」
「Chorrolでの一件は、見事であった。だが、その後も行方不明事件が相次いでいるらしい」
「え? 本当ですか。あの魔術師だけじゃなかったということですか」
「そういうことだ。しかも、報告によると、今回はMehrunes Dagonの教徒が関わっている可能性がある」
「!」
「Mythic Dawnではないが、折も折。それに、CyrodiilではMehrunes Dagon崇拝は違法だ。詳しいことはWeynon修道院で聞くといい。気を抜くな、奴等は群れを成している」


 ついでにMartinから買い物リストを貰って、早速修道院に。


「ええ、今月に入って既に3人が行方不明になっています。街道や山中にさえOblivionの門が開いて治安が悪化したため、そのせいかもしれないと最初は思っていたのですが」
「違った?」
「行方不明者の共通点はHackdirtに行くと言っていた行商人や、ハンターたちでした。この辺りをよく知らなかったのでしょう。そうでなければ、あの村に行きたがらなかったでしょうに。言い残さなかった人、たまたま立ち寄った人もいるでしょうから、実質的な被害者はもっと沢山いるでしょう」
「どんな村なんだ?」
「恐らくは、Mehrunes Dagonの教徒の村ではないかと思われます。Mythic Dawnとは別の宗派のようですが。30年ほど前、『問題』が・・・つまり、今のような状況が発生しまして、軍隊が派遣され、村人は殺され、村は焼き払われました。しかし、村はいまでもそこにあり、住んでいる者がいるのです。気味が悪いでしょう。Chorrolでは、この話はすっかりタブーになっています。今の今まで問題が放置されていたのは、それ以降は何も問題は起こさなかったからですね」
「けれども、問題が起きた」
「そうです。事件から30年が経過し、人々の記憶も薄れました。おまけに、Oblivionの騒ぎ。活動を再開するには丁度良い頃合だと判断した、と考えられます。Bladesとしては、Mehrunes Dagonに関連したこの問題を放置するわけには参りません。一番新しい行方不明者は、村と唯一取引のあった『Northern Goods and Trade』のSeed-Neeusの娘、Dar-Ma。非の打ち所の無い、評判の美少女と聞いております。話を聞きに言ってあげて下さい。『黒衣の英雄』の出番です」

 Dar-Maちゃんか。Cyrodiilを歩き始めたばかりで、右も左もわからなかった見知らぬ俺にも親しく語りかけてきてくれた、人見知りすることのない素敵な女の子だった。あの性格のせいでトラブルに巻き込まれたとしたら、神様は相当性格が悪い。何としても助け出さなくてはならない。


 Dar-Maちゃんのお母さん、Seed-Neeusさんは、助けを申し出ると途端に泣き崩れた。

「あの子はよく貴方の話をして下さいました。強要しているつもりはないのです。ただ、貴方なら娘を救えると思っていたものですから・・・Dar-Maはいなくなってしまいました。私にはどうすれば良いのか分かりません。Dar-Maは、母として望みうる最も良い娘です。皆さんがあの子に優しく、親切にして下さいます」
「わかりました、Hackdirtについてお聞かせ下さい」
「普段は私が配送するのですが、私の体調が悪かったもので、Dar-Maは自分が行くと言い出したのです。何事も無ければ良いのですが・・・Hackdirtに行ったまま戻らないのです。あの子の身に何か起こったのではないかと、とても心配です。どうか娘を助けてやっていただけないでしょうか?」
「ええ、ご安心下さい。Hackdirtまで行って、Dar-Maさんがどこに行ったのか辿ってみたいと思います」
「貴方のご親切にどう感謝したらよいものやら・・・商品はHackdirtのEtira Moslinに届けることになっていました。彼女を訪ねていただければ良いと思います。ご参考までに。娘は、Blossom――彼女の馬のことです――を連れています。Dar-Maはとても自分の馬を愛していますから、捨てるようなことはしらがらないと思います」
「わかりました。ありがとうございます」


 時間がかかるほど、Dar-Maちゃんの生存率は下がる。Mehrunes Dagonの神殿では、司祭さんが生贄に捧げられかけていた。Dar-Maちゃんも同じことがおきてもおかしくない。
 Chorrolの伯爵夫人は賢明な君主だが、武断の才にはやや欠けており、兵の派遣は渋っているらしい。Oblivionの門のこともあるし、余計なことはしたくない、というところか。仕方が無いな。


 しかし・・・着いてみたはいいが、不気味な村だ。30年前に焼けた建物が、まだ残っている。時間が止まっているのだ、この村は。


 とにかく、ムンスを繋ぐ場所が無いかな、と思って付近を見て回っていると、廃墟に別の馬が繋がれているのを発見した。そういえば、Dar-Maちゃんは馬に乗ってこの村に来たのだ。何か手かがりが無いか見てみると、鞍に「Blossom」という字が刻まれていた。Dar-Maちゃんはこの村にやってきた。しかし、この村からは出ていない。


 しかし、取引先のEtiraは知らぬ存ぜぬ。

「Dar-Maなんて知らないね。あんたがChorrolの忌々しい詐欺師のArgonianについて言ってるんなら、どこにいるかこっちが知りたいくらいだよ。商品の配送はまだ来ていないよ。どうやって商品無しに商売しろって言うんだい? あんたその女にあったら、次の配送は半分タダにしろって言っとくれよ」

 しかし馬は・・・と言いかけて止めた。ここは邪教の村だ。まともな言い分は通用しない。しかし、Dar-Maちゃんの足跡は追う必要がある。他に行くところがあるとすれば、宿屋か・・・。


 たまたま薬の材料を採りに来て、暗くなったので泊まりに来た錬金術師を装って部屋を借り、(しかし30Gなんてボッタクリだな)ついでに聞いてみるが、やはり駄目だった。

「誰だ? いや、私は若い女は一人もこの辺りじゃ見かけないよ。私がその女を見たとして、彼女が雲隠れしたことについて私が何を知っていると言うんだ? 私は何も見てないし、何も知らないよ」

 部屋は二つある。俺が借りたのはまともな(陰気臭い)部屋だった。もう一つの部屋に、亭主の目を盗んで入り込むと、思わず唸り声をあげた。


 散乱した食器。倒れた机や、傾いた引き出し。ずれたベッドや、カーペット。
 間違いない。ここで何かがあった。
 何か手かがりは無いだろうかとその辺りを探ると、引き出しに日記があるのに気がついた。表紙にはDar-Maちゃんの名前が書かれている。プライバシーを侵害するのには気が引けたが、緊急事態なので仕方がない。最後の日付を見てみると、Hackdirtに日が暮れてから到着したこと、商店は開いていなかったが、仕方がないので宿屋に泊まったことが書かれていた。

 亭主に日記を持って尋ねたが、知らぬ存ぜぬは変わらない。ここには来たが、出て行った、の一点張りだ。


 気まずいので、とにかく宿屋は出た。
 しかしまあ、これだけよそ者に対する結束が固いと、魔法でも拷問でも心をこじ開けるのは無理だな。夜を待って人家に忍び込むべきだろうか? しかし、それでは遅い気がしなくもない。
 問題は、彼女はどこにいるか、だ。
 騒いでも良さそうなものだが、そういった喧騒は聞こえてこない。神秘魔法で外から家の中を探ってみても、それらしい生体反応は無い。家の中にはいないのか?
 ふと、空を見上げると、村で一番高い建物、教会が目に入った。見た目は普通の教会だが、邪教である以上は、祀っているのはNineではあるまい。
 とりあえず、教会に行けばMehrunes Dagon関連のそれらしい本でも見つかるだろうか、と考えたので、歩き始めたが、途端に視線を感じた。


 振り向かないよう、気取られぬよう、注意深く歩いたが、俺が歩いた分だけついてくる。間違いない、尾行だ。
 全く、俺もその手の人間だ。その俺の背後に忍び寄ろうとは、良い度胸だな。ならば、試させてもらおうか。


 俺はそのまま何気ない風を装って教会に入ったが、続いて入った男は、腰のメイスを抜いて襲い掛かってきた。


 ここまでは予期していたことだ。正当防衛の名の下に、堂々と蹴りをかます。


 男は石床に強かに頭を打ちつけ、動かなくなった。
 周囲を見回すと、当然といえば当然だが、Nineの祭壇は無い。その代わり、本があった。何だろうとページをめくり、ルーン文字がびっしりのページ。

 so cxiumonataj kunvenauw, sed nature ankoix pri aliaj aktuasoj aktivecauw so societo. Ne malofte enahkstas krome plej diversaspekta materialo eduka oix distra・・・

 う・・・ここまでびっしりだと気分が悪くなるな。『N'Gasta! Kvata! Kvakis!』を思い出す。思いっきり顔をしかめていると、表が騒がしくなった。

「よそ者だ! 殺せ!!」

 ゲ、もう来たのか!


 っていうかなんだよこいつ等の顔は! 気持ち悪いな!!
 そうか、村人が口にしていたが、こいつ等が「同胞」か!


 囲まれたのでDremora Loadを召喚して加勢してもらう。クレイモアを振りかぶる魔界の戦士は、容易く「同胞」を真っ二つにする。みんな、鎧は大事だ! 俺も人のこと言えないけれど!


 寄ってたかってタコ殴りにすればいいと思って、甘いわ! 俺だって暗殺魔術師、伊達に冒険はしていない。寸鉄を帯びなくても自分の身を護る程度の術は身に着けている。


 教会は調べても、経典しか無かった。しかし、倒れた者を調べると、鍵が見つかった。うーん、と思って周囲を探索すると、廃墟に落とし戸が残っているのに気がついた。鍵を差し込むと、かちりと開く。ビンゴか。


 地下にも「同胞」がいた。でもな、もうちょっとみんないい装備つけようぜ。


 連中は一箇所でまとめて掃討できたので、Dar-Maちゃんの捜索を開始する。昨日の今日なので、最悪の場合でも、遺体は見つかるだろう・・・と思ってたら、人の気配。なるほど、ここに行方不明の人間を閉じ込めていたのか。あ、もしかしてDar-Maちゃん?

「も、もしかして! あの、ここから連れ出して!」
「わかってる。今鍵を開けるから」


 開錠魔法Hirake Gomaに開かぬ鍵無し。
 来る途中に、村人はほとんど殺してきたので襲われる心配は無かったのだが、洞窟内の転がっている死体は流石に隠しようも無く。けれども、暗かったのと、俺が手を引いて急かしたのが幸いして、あまり嫌なものは見なくて済んだようだ。


 馬に乗って村から離れると、ようやく人心地ついたDar-Maちゃんはぽつりぽつりと話し始めた。

「お母さんは私のことを『卵から孵りたて』って、子供扱いするの。私だって、もう色々なことが出来るのに。Nightさんだって、私の年の頃はもうお仕事してたでしょ? お母さんったら!」

 う、今一瞬、鞭で打たれた昔の痛みが背中に走ったぞ。奴隷時代のあまり思い出したくないものが記憶によぎって、腹の底が冷えた。いや、Dar-Maちゃんは悪くないけれどね。奴隷制なんてCyrodiilじゃ信じられないことだろうし。まして、「主人を刺して帝都刑務所にぶちこまれましたー☆彡」なんて想像も出来無いだろうし。まあ、その辺はこの子は知らなくてもいいことだし、適当に誤魔化しておいた。背中をさすりながら。

「うーん。でも、俺って孤児だったし、子ども扱いしてくれる人は誰もいなかったな。Dar-Maちゃんのように、守ってくれる人がいるっていいなあ、って思うよ。お母さんはDar-Maちゃんのことを愛しているんだよ。でも、色々仕事を覚えたいってのはいい心がけだよね。配達先がHackdirtじゃなきゃ良かったのに」

 そんなこんなでChorrolに到着したのだが、その後は結構てんやわんやだった。
 お母さんに報告して、一緒に城まで行って被害を訴えたり。『黒衣の英雄』である俺も口添えして、伯爵夫人にはなるべく良い方向に取り計らって貰えるようにしてもらった。だが、調書などを取られているうちに結構時間が過ぎて、結局、丸一日費やすことになった。俺も修道院に報告しに行きたかったし。
 その日は街に泊まって、翌日、買い物メモを見ながらギルドで薬草やソウルジェム、本などを見て回っているうちに、夕方になってしまった。

 流石に俺も疲れたので、グレートオークの木の下のベンチに座って一休みしていると、歩き寄ってくる影があった。


「こんにちは、Nightさん」
「こんにちは・・・大丈夫?」
「ええ、お陰様で。怪我もしませんでしたし」
「そっか。そりゃ良かった」
「・・・隣、座ってもいいですか?」
「あ、うん」

 そう言うと、Dar-Maちゃんはそっと、俺の隣に腰を下ろした。

「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」

 ヤバイ。話題が見つからない! かなり気まずい沈黙が辺りに満ちてくる前に、とりあえず思いついた話題を切り出してみた。

「あのさ、最初に出会ったとき、どうして俺に話しかけてきたの?」
「私、お母さんに子ども扱いされてるせいか、外に憧れているんです。勿論、厳しい世界だって分かっています。でも、旅している方を見ると、ついお話してみたくなって。Nightさんは、同じArgonianでしたし。それに、カッコよかったですし・・・って、何言ってるんでしょう。すいません」
「え、いやいや、構わないよ。Dar-Maちゃんのような可愛い女の子に話しかけてもらって、凄くホッとした。何せ、Cyrodiilを旅し始めたばかりだったし」
「やだ、そんな」
「いやいや、マジで」
「あの、Nightさん・・・」
「え?」
「いえ、・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」

 沈黙を壊すように、教会の鐘が鳴った。

「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「あ、あの、もう夕方だし、お母さんが心配しているんじゃないかな。あんなことがあったばっかりだし、もう家に帰ったほうがいいと思うよ」
「え、あ、そうですよね。それでは、失礼します」

 そう言うと、Dar-Maちゃんは一礼して歩き去っていった。


 俺は去り行く背中を見送りながら、ぼんやりと考えた。
 もっと親しい言葉をかけていたら? 手を握るなりしていれば? それとも、食事にでも誘っていたら?

 頭を振って、浮かんだ思いを打ち消した。
 俺の道は流れる血で出来ている。今だって俺はKvatchの英雄。更に、Morrowindに帰れば英雄Nerevarineとして振舞わなければならないし、それに、暗殺教団Morag Tongの人間としてDark Brotherhoodと戦い、巫としてAzura様やMephala様に仕える義務がある。どう見ても、穏やかな人生が待っているとは思えない。そんな人生に、普通の子を巻き込んでしまったら?
 それに、Corprus病に感染している以上、俺はこの先、歳を取ることも、殺されない限り死ぬこともないかもしれない。俺は26歳なのだが、Martinは20歳くらいに見えると言った。Corprusに感染したのは、その頃だ。・・・容姿が衰えない俺を見続けて、正常な精神を保っていられる伴侶がいるんだろうか?

 Dar-Maちゃんはやがて見えなくなった。俺は追いかけなかった。

 Dar-Maちゃんのような、まっとうに暮らしている子に入れ込んだら、きっと不幸にしてしまうから、これでいいんだろう。上辺の綺麗なところだけ見せていれば、憧れだけで済むのだから。

 ふと、頭に人影がよぎった。今まで出会ったどんな人よりも、綺麗な人だった。
 たおやかな手足、燃えるような紅い髪、狂気を孕んだ、宝石のように冷たくも美しい瞳。謀略と慈愛に満ちた、Morrowindの聖なる母。
 前々から心はおかしくなりつつあったにしても、もし俺がもっと優しい言葉をかけていたら、殺し合いになることも無く、穏やかなうちに、長い長い命に幕を下ろせたのではないだろうか。

「・・・・・・帰るか」

 俺の隣に立てる人がいるならば、血に沈むことを恐れぬ人なのだろう。




「この書は特殊な言語が使われているな。Nightが言うとおり、『N'Gasta! Kvata! Kvakis!』と同じ言語が使用されているようだ。というより、同書の一部が使われてるな。『毎月の会合は、しかし、その他のことについてもたるみがちで、あまり盛り上がることも無い。他にも、いろいろな教育的な、または気晴らしのためのものが無い。蛙が鳴くような声が響く。(そこらにいるようだ)一方、別の通路を掘り進むことを割り当てる文章には賛同する。ゲロ! ゲロ! しかし、他方では、色々な見解があるものの、疑問の余地があり、同じだという可能性はあるわけではない。空洞の中で行き来しているその様子を絵にして示すことは出来るだろうか。他の者のために、晒すことは出来ないだろうか。一方、金を掛けずに洞窟を掘り進むことを割り当て、広げるには良いだろうが、話が通じないというのは如何なものか。あの者の容姿は、ゲーロ、全くもって蛙に似たり、お仕え申し上げよう』・・・こんなところだろうか?」
「うえー、気味が悪いでやんの」

 その後、地図から一つの村が消えたという。
 俺やMartin、それと事情を知る者は、それを心から喜んだ。


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(2008.7.19)